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UPDATE|2023/09/09

塚本晋也監督 映画『ほかげ』が、ヴェネチア国際映画祭で日本人初のNETPAC賞を受賞

(C)2023 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER

塚本晋也監督の最新作『ほかげ』が、第80回ヴェネチア国際映画祭にて、日本人監督初のオリゾンティ・コンペティション部門 NETPAC賞(最優秀アジア映画賞)を受賞したことが発表された。

【写真】第80回ヴェネチア国際映画祭の様子【16点】

1990年にアジア各国の良質な作品や優秀な若き映画製作者を世界に広めるために設立された国際団体であるNETPAC(正式名称:Network for the Promotion of AsianCinema)。NETPAC賞は、同団体の審査員により選ばれ、最優秀アジア映画賞として世界の60以上もの映画祭に設けられている。

ヴェネチア国際映画祭で NETPAC 賞が授与されたのは、ジャ・ジャンク―監督『プラットホーム』(00)、ババク・パヤミ監督『1票のラブレター』(01)、ゲラ・バブルアニ監督『13 ザメッティ』(05)に続き4度目で、日本人監督の受賞は初となる快挙となる。

現地時間9月5日(火)の夕方に行われたワールドプレミアには、塚本晋也監督と物語の狂言回しとなる戦争孤児を演じた塚尾桜雅、片腕が動かない謎の男役の森山未來が登壇。上映後には、場内から惜しみない拍手と歓声と共に約8分間のスタンディングオベーションが巻き起こり、熱気に包まれた会場と超満員の観客からは同作への評価の高さがうかがえた。

映画『ほかげ』は、新鮮で革新的な作品で構成されるオリゾンティ・コンペティション部門に出品されており、塚本監督作品がヴェネチア国際映画祭に選出されるのは、『斬、』以来5年ぶり、9度目となる。

NETPAC賞の審査員長を務めた、ザキール・ホセイン・ラジュ氏は、「第80回ヴェネチア国際映画祭にて、一番感動した映画として『ほかげ』を選出いたしました。ただの映画としてではなく、戦後の映画として人と人の関係が変わっていく様子などを映画的に、閉所な空間で衣装やセット、メイクなどでみせていく。あまりこのような映画は観たことがなかった」と称賛を贈った。

NETPAC賞の受賞に寄せて、塚本監督は、「生まれたばかりで、まだどんな反応かわからないこの映画に対して、最初の評価みたいなものをいただけてホッとしました。一番にスタッフに伝えたいです」と喜びのコメントを寄せた。

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