1st写真集と謳っているが、実はこれまでも紗愛はデジタル写真集を発売したりグラビア活動を展開したりしてきた。しかし、そこには大きな違いがあるという。
「同人活動の一環としてのグラビア活動は、すべて自分の手によるDIY。だから仮に失敗しても、責任は自分だけのものなんです。でも大手出版社から全国の書店に流通する写真集となれば、話のスケールが段違いに大きくなるし、実際、いろんな大人のスタッフさんが関わってくれています。生半可な真似はできないなと焦りますよ(笑)」
どういう内容にしたいのか、自分の考えは撮影前に写真集スタッフに伝えた。だがすべてを紗愛カラーにしてしまったら、結局は今までの同人グラビアと変わらなくなってしまう。時にはまな板の鯉に徹し、スタイリストやカメラマンの要望に応えるよう努めた。
そうすることで、新しい一面が打ち出せたのではないかと紗愛は振り返る。セクシーな黒ボディスーツの上にガーリーなドット柄衣装を合わせるカットを撮影したときは、「こんな見せ方もあるのか!」と目から鱗が落ちたそうだ。
「私、2次元っぽい身体つきをしているって指摘されることがあるんです。アニメや漫画のキャラクターって、腰回りは細いんだけど、脚とか胸は意外にムチムチ描かれていることが多いんですよね。だから肉感的なところが私のグラビアの特徴なのかなって思う。
あと肌が綺麗ってファンの方やスタッフさんに言われることもあるので、今回の写真集では『レタッチでの肌修正は極力しないでください』ってお願いしました。今は写真アプリでも修正が簡単にできるようになっていますけど、ナチュラルな素の自分を出したかったんですよ」
自身のすべてをさらけ出したという渾身の1st写真集。紗愛のコスプレ哲学や美に対するこだわりが色濃く反映されている点にも注目していただきたい。
(取材・文/小野田衛)