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UPDATE|2023/11/19

自己破産後の田上明、妻の独白「何不自由なく生活できるって…全然そんなことないですよ」

現在の田上明。現役時代の写真とともに。奥様の経営する『ステーキ居酒屋チャンプ』(茨城県つくば市)にて。 撮影/丸山剛史


 ノアの負債・4億円を抱えて自己破産した際は、自宅や車などの個人資産をすべて処分することになった。幸い『チャンプ』は夫人名義だったため売却を免れたものの、文字通り田上自身は裸一貫の状態。さらに弱り目に祟り目で、18年には胃から大量出血があり緊急入院。ここで胃がんが発覚して、胃の全摘手術も行うことになる。

「選手や社長を辞めても何不自由なく生活できるって一部で書かれたことがあるんですけど、全然そんなことないですよ。ノアが身売りしたときも給料は出し続けるという話だったけど、実際は3回しかもらえなかったですし。本当だったら年金がもらえる年になったら隠居して、お店も週末だけやるくらいの計画でいたんですけど……。ここに来て肉も値上がりしているし、神様もなかなか楽させてくれないなと(笑)。

私は主人がプロレスを始める前に結婚したし、選手として活躍すると姿にもまったく興味がなかったんです。でも主人の活躍によって勇気づけられた人が少なからずいたことは、このお店をやっていて非常によくわかりました。これからも主人と『チャンプ』の応援をよろしくお願いします!」

 これだけ献身的に支えてくれる奥さんに対して感謝の言葉はないのか? そう田上に話を振ると、「ねぇよ。目の前にいるから照れ臭いし、言葉にしたら弱みを握られることになるからな」と苦笑いする。

それでも昔から応援してくれているファンに向けては「身体もボロボロだけど、なんとかこの土地でやっていることを知ってもらいたいな。すでに起こってしまったことは後悔しても仕方ないし、粛々と毎日を過ごしていますよ」と控え目ながら前向きな言葉を口にしていた。

【前編はこちら】自己破産、胃がん…60歳目前の危機を乗り越えた田上明…それを支え続けた妻の独白
AUTHOR

小野田 衛


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