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UPDATE|2024/01/03

2024年冬ドラマは“おっさん”がアツい? 『おっさんずラブ』『おっパン』らでブーム再燃か

2024年1月に放送スタートする金曜ナイトドラマ『おっさんずラブ-リターンズ-』(公式Xより)



振り返ってみると近年の実写ドラマにおいて、“おっさん”は一種のトレンドだった。2016年に『おっさんずラブ』の単発ドラマが始まると、これが瞬く間に話題となり、2018年に連続ドラマ化。日本中に“おっさん旋風”を巻き起こし、劇場版まで制作された。

一方、翌2019年には西島秀俊と内野聖陽のW主演ドラマ『きのう何食べた?』(テレビ東京系)が人気を集め、こちらも2021年秋に映画化を果たしている。さらに今年10月クールのドラマとして『きのう何食べた? season2』が絶賛放送中だ。

いずれもおっさん同士の恋模様を描いた作品だが、2020年には、おじさん家政夫・鴫野ナギサ(大森南朋)と20代の独身キャリアウーマン・相原メイ(多部未華子)による“ちょっと変わった恋愛”を描いた『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)が大ヒット。癒し系で周りの面倒を見てくれるナギサは働く女性にとって理想の存在であり、包容力のある大森の演技も相まって視聴者の支持を集めた。

思い返せば、空前の“おじさんブーム”は2012年から続く『孤独のグルメ』(テレビ東京系)から始まっていたようにも思える。同作は、言ってしまえば松重豊扮する井之頭五郎がひたすらご飯を食べるだけの作品なのだが、普通に考えれば映えない絵面が「逆に癒される」として、人気を博す要因となった。

一般に“おっさん”というワードには、どちらかと言うとマイナスなイメージが付きまとっている印象。そんな概念がなぜブームとなるのか、それは彼らが秘める「ギャップ萌え」が関係しているのかもしれない。

『おっさんずラブ』を例に挙げると、一見コワモテの黒澤武蔵が「はるたん……」と意中の相手に想いを寄せている様子はシュール以外の何ものでもない。社内の人間に片想いするという構図はこれまでのドラマでも挙げたらキリがないほど描かれてきたが、恋しているのが“おじさん”というだけで今までにないギャップが生まれる。

現実社会では、年齢を重ねた男性ほど世間体のために“武装”して生きているものだが、そんな人物が無防備にピュアな内面をさらけ出してくれる姿から、萌えと癒しが生まれるのではないだろうか。

『私の家政夫ナギサさん』に登場したナギサも、おじさんでありながら優男で家事までこなせる完璧ぶりが目を引く役柄だった。その一方で、メイとの恋愛になると照れてしまったり一歩踏み出せなかったり……。そんな様子に尊さを感じるファンも多かったはずだ。

もはや実写ドラマにおいて、“おっさん”はキラーコンテンツなのかもしれない。今年放送される冬ドラマの“おっさん”たちにも期待しよう。

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