FOLLOW US

UPDATE|2024/01/13

『スイカゲーム』が流行った理由を分析、その答えは名作映画のセリフの中に?

『スイカゲーム』(ニンテンドーストアより)


筆者はハイスコア2662のエンジョイ勢として『スイカゲーム』をちょくちょくプレイしているが、仕事などで憔悴している時に『スイカゲーム』のようなパズルゲームはとても捗る。麦のセリフには共感せざるを得ない。とはいえ、パズルゲームは多く存在するが、中でも『スイカゲーム』は突出している。

まずは『ぷよぷよ』などの対戦系ではなく、急かされることなくマイペースで楽しめる。ストレス解消のためにゲームをしても、対戦相手がいるとどうしても「相手を倒したい」という気持ちが芽生えてしまう。目的がすり替わり、結果的にはプレイ前よりもストレスが溜まることは珍しくない。『スイカゲーム』もスコアを競うが、1人用なのでただただ落下していくフルーツを眺めるだけでも癒される。

また、偶然の要素が強い点も魅力の一つ。フルーツは「さくらんぼ」→「いちご」→「ぶどう」→「デコポン」といった順番で成長していく。つまりは「さくらんぼ」を2つ合体させると「いちご」になり、近くに「いちご」があれば一打で「ぶどう」を作ることが可能。『ぷよぷよ』で言うところの“連鎖”である。とはいえ、各フルーツの大きさが異なり、フルーツを落とした振動で他のフルーツが予想外の動きを見せ、思った通りにフルーツがくっつくとは限らない。

例えば、『ぷよぷよ』は「ここに落とせば5連鎖できる」ということがわかるが、『スイカゲーム』は約束された連鎖がない。連鎖を組むために頭を働かせる必要がなく、“頭を空っぽにしながら適度に頭を使う”という最高の状態でプレイできる。偶然の要素が強いため、ミスしてしまっても自分を責めることは少なく、スコアにこだわり過ぎずにすむこともついつい沼ってしまう要因なのではないか。

以上のことから、今日の人気につながったのではないか。そもそも、ソニーがPlayStation4用ソフト『テトリス エフェクト』を被験者にプレイさせ、その際の脳波を測定した実験結果によると、プレイ後にストレスが減って集中が増加する傾向があることがわかっている。パズルゲームにはストレス軽減の効果があり、『スイカゲーム』にも同様の効果があるのかもしれない。

裏を返せば、麦のように追いつけられているストレスフルな人が多いからこそ、流行ったと言えなくもない。なんにせよ、人を引き付ける秀逸なゲームであることは間違いない。

【あわせて読む】実写版『幽遊白書』主要キャスト4人が魅せる、何度でも見たい躍動感溢れるアクション

RECOMMENDED おすすめの記事