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UPDATE|2024/01/18

新アニメ2つの味わいが違う飯テロアニメ『ダンジョン飯』『姫様“拷問”の時間です』

左から『ダンジョン飯』1巻(KADOKAWA)、『姫様“拷問”の時間です』1巻(集英社)


 そこまで食欲を駆り立てられるわけではない『ダンジョン飯』とは異なり、『姫様“拷問”の時間です』はド直球である。魔王軍と対峙する国王軍第三騎士団長を務める通称・姫様は魔王軍の捕虜になってしまう。魔王軍の拷問官・トーチャーから国王軍の機密情報を吐き出させるため、日夜拷問に遭うという内容。本作はギャグ漫画のため拷問は血なまぐさいものではない。とはいえ、かなり非人道的なものばかり。

 1話は重りを足につけた姫様の前でトーチャーはこんがりと焼けたトーストをいい音を鳴らしながら食べ進める。何とか姫様も粘りを見せるが、ビーフシチューを食べた後の容器を持ち出し、容器についたビーフシチューにトーストをディップして食べるという至高の食べ方を見せつけ、姫様を「話し……ます」と観念させた。トーストだけではなく、その後もたこ焼き、コッテリ濃厚ラーメンを姫様の前で食べるという残酷すぎる所業を見せて次々と機密情報を聞き出していく。

 2話では飯テロではなく拷問のアプローチが変わる中、3つ目の拷問は『コアラのマーチ』を思わせる『ゴリラのマーチ』をトーチャーが軽快に口の中に放り込むというもの。一粒一粒の絵柄を確認せずに口の中に投げ込んでいくトーチャーの無慈悲さに、心を痛めた姫様はまたしても屈してしまう。ただただ「美味しそう」という気持ちだけで引き付けるのではなく、食べ物を使用しながらも別の誘い方をするトーチャーはやはり魔王軍の実力者。

 空腹を駆り立てる名言と言えば、『賭博破戒録カイジ』内での「キンキンに冷えてやがるっ…!」 「あ、ありがてぇっ…」 「涙が出るっ…」 「犯罪的だ…うますぎる・・」 「染みこんできやがる…体に…」が真っ先に挙げられるが、 『姫様“拷問”の時間です』でもこの名言と双璧をなすようなパワーワードが飛び出すかもしれない。美味しそうなご飯の作画だけではなく、セリフも美味しくいただきたいと思える。2つの違う感情を与える飯テロアニメを今後も楽しみにしたい。

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AUTHOR

望月 悠木


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