これだけ凄い作品が並ぶと、だんだんA24というブランドに信頼が出てきます。ちょっとヘンな映画かもしれないけど、A24作品なら、なにかしら引っかかるものはあるだろうな、という期待が持てるんです。
昔でいうと、ミニシアターに行くような感覚ですよね。かつては、地域にあるミニシアターごとに信頼感があって、そこで上映されているのはオシャレな人たちが認めた映画なんだという感覚で、意味もわからず観ていたような所がありました。
これは単に映画を観るという行為だけでなく、その人のライフスタイルも映し出しているんじゃないかと思うんですよね。
例えば、僕はA24のグッズが欲しいなって思っちゃう人なんですよ。それはA24の世界観が好きで、それを身に着けている自分に酔いたい。普通の映画のTシャツを着てるよりも、A24ならちょっとセンスがいいと思われそう、というか。A24の映画を面白いと思える自分でありたいというか、A24のあるライフスタイルを送りたいっていうマインドですよね。
とはいえ、A24作品でも正直ハズレもあるんですよ。 個人的にぜんぜん刺さらなかった作品もあって、これ全然わかんないんですけど、みたいな作品もあります。
ただ、それもA24らしさというか、僕にはわからなかったけど、どこかの誰かには刺さってるんだろうなという気にさせられるんですよね。
これはやっぱりメジャースタジオには真似できない分野だと思います。あっちはやっぱり8割の人に面白いと思ってもらわなきゃいけないんですけど、 こっちは本当に好きな人に刺さる大人のエンターテインメントでいい。そこがA24作品の強さであり、面白さなのかなと思いますよね。
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