10月18日(金)ハロー!プロジェクトに所属するカントリー・ガールズが、公式サイトにて活動休止およびメンバー全員の卒業を発表した。ファンに大きな衝撃を与えたこのニュースについて『月刊エンタメ』で連載コラム「モーニング娘。年代記」を執筆している乗田綾子氏に特別寄稿してもらった。
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10月18日の夜に突然飛び込んできたカントリー・ガールズの活動休止、そしてメンバーの引退や休業というニュース。
あまりにもハロプロファンが受けた“衝撃”の数が多すぎて、一体何から説明すればいいのだろうかと一瞬戸惑ってしまうほどなのだが、特にその衝撃度合いが強かったものをひとつ選ぶとするなら、やはり船木結(カントリー・ガールズ/アンジュルム)の転身だろうか。
本人曰く「自分の関心があることを通して 想像しているよりももっと広い世界を見たいという気持ちが浮かび上がりました。その為にハロー!プロジェクトという環境から離れ芸能界からも一旦区切りを付けます」(公式ブログより)。
まだ17歳の若さながらこれまで精力的に活動し、そのライブパフォーマンスを評価する声が確実に高まっていた中での卒業&休業。発表のその時まで、この決断を読めていたハロプロファンはおそらく誰ひとりいなかっただろう。
ただ驚きながらも、個人的にこの“衝撃”はもしかすると必然の出来事であったのかもしれない、と今ではだんだん感じるようになってきた。
それはアイドルたちにとっての最新の幸福が、ここ数年で「ずっと続けていられること」から「何度でもやり直せること」に、確実に変わってきているような気がするからだ。
偶然にも平成が終わる直前、アイドル界は男性も女性も同様に、歴史の転換を印象付ける出来事が連続して起きていた。
男性アイドルであればSMAP解散が、そして女性アイドルであればハロー!プロジェクトのBerryz工房無期限活動停止や℃-ute解散が、広く知られている例だろう。
この上記3グループというのはいずれも幼少期からメンバー固定で活動し、そして大人になってもマルチな活動、また新たなジャンルへの挑戦に取り組むことで、いわば「永遠」をファンに夢見させ続けてくれていた、そんな存在であった。
また同時に後輩アイドルたちにとっては憧れとともに見上げる、そんな最良のモデルケースにもなっていたことだろう。
しかしSMAPもBerryz工房も℃-uteも、「なんでもできる」可能性の道を必死に開拓しながら、ちょうど2016年前後に様々な事情の中で「ずっとはできない」ことを示して、一斉に頂きから消失してしまう。