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UPDATE|2024/04/10

生活困窮で消費者金融に走る人に待った!作家・雨宮処凛が語る「行政の制度を利用しないと損」

写真はイメージです(画像:ピクスタ)



親の介護や自身の健康など将来のことを考えると不安は尽きないが、貧困についても、誰しもが決して他人事ではない。派遣を切られたり、病気や怪我などで働けなくなったりと、誰しもが突然にして、困窮する可能性はあるからだ。

「例えば、先月は20万円稼いだけど、貯金もなく今月は10万しか稼げないっていう状況の人は、生活保護の対象になる可能性が高いんです。この場合、最低生活費に足りない差額の3万円ほどが給付される可能性があります。一方、収入ゼロで東京でひとり暮らしだったら、家賃にあたる住宅扶助費が5万3700円まで出て、そこにプラス生活費で8万円くらい。もちろんいくつかの条件はありますが、持ち家があっても都内だと3000万円以下の資産価値であれば生活保護は利用できるし、車も通勤や通院に必要と認められれば所有したままで大丈夫です。生活保護って、一度受けると一生受け続けることになるって誤解も多いみたいですが、働ける人は『働いてください』ってすごく言われるし、働き始めて収入が生活保護費を上回ったら打ち切りになる。

だから困った時に利用して、生活を立て直したら卒業っていう形で利用すればいいんです。それこそ3ヶ月で必要としなくなる人なんて話は普通にあります。また、失業などで家賃が払えないということなら、住居確保給付金というものがある。原則3ヶ月給付ですが、最大9ヶ月まで延長ができます」

生活保護は、いよいよ生活が立ち行かない状況になってから受けるものという印象もあり、心理的ハードルが高く思えるが、今月足りない分の3万円ほどを行政に頼ると考えればぐっと気が楽になる。しかも借金とは違い、生活保護は返さなくてもいいお金だ。住居確保給付金もしかり。困窮しているのなら遠慮することはない。

「家賃が払えない、生活費が足りないというと、消費者金融に走る人って本当に多いんです。でも、民間のサラ金みたいなところから借金するくらいなら生保を受けたほうがいい。だって、日常生活を回すお金を借金する時点で、生活は破綻しているわけです。民間の借金は利子がかさむから、なかなか債務は減らない。それでずっと苦しみ続けるんだったら、最初から生保を利用したほうが、自分の持ち出しなしで生活を立て直せる。ずっと賢くないですか」


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