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UPDATE|2024/04/10

生活困窮で消費者金融に走る人に待った!作家・雨宮処凛が語る「行政の制度を利用しないと損」

写真はイメージです(画像:ピクスタ)



例え、困窮の原因がギャンブルや風俗であっても、生活保護を受けることはできる。困窮に至った理由などに関係なく、無差別平等に受けられることが原則だからだ。もちろん、生活保護費を無駄遣いすればまたもや生活は困窮することになるので、受給後は金の使い方を改める必要があるが「自己責任」という言葉は一旦忘れて、もしも借金をしないと生活が回らないという状況になった場合においては、消費者金融ではなく生活保護で足りない分だけを補うほうがずっと賢明だ。

「生活保護よりもよりライトに使える制度もあります。社会福祉協議会の生活福祉資金の緊急小口資金です。これは緊急かつ一時的に困窮する世帯の自立を支援するための制度ですが、無利子で10万円以内が借りられます。また、失業などで困窮した場合には生活を立て直すために使える総合支援資金というものもあります。家賃を下げるために引っ越しをしたい、けれども、引っ越し費用がないって場合ってあるじゃないですか。敷金礼金などの転宅のための費用として、住居入居費の名目で40万円まで、債務整理や家賃滞納などは一時生活再建費ということで、60万円までの貸付が受けられるんです。

給付ではなく貸付なので、返済が必要ですが無利子(総合支援資金の場合、保証人がいたら無利子、いない場合年1・5%。緊急小口資金は無利子で保証人不要)。生活の困窮を理由に民間で借金をするくらいなら、こっちを利用したほうがずっといいと思います。だって制度としてあるんですから。日本には、このように痒い所に手が届く制度があるけれど、誰にも知られていない。こんな状況を指して『メニューを見せてくれないレストラン』という表現をしたのは反貧困ネットワークで事務局長を務めた湯浅誠さんですが、まさにそう。行政が用意している社会保障制度はたくさんある。けれども、それを向こうからは教えてもらえない。だからこそ、情報を知っていることが必要なんです」

『死なないノウハウ』には、こうした日本社会の生き抜くためのサバイバルするための様々な情報が多岐に渡って紹介されている。情弱を脱することこそが、生き抜く術の際たるもの。その入門書として御守り代わりに一冊、手元にあるといざという時に役に立つのではないだろうか。

【後編はこちら】死後、預金やサブスクはどうなる?作家・雨宮処凛が語る“損しない”技「情報と知識がすべて」

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