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UPDATE|2024/04/19

最注目若手女優・河合優実、キャリアを通じて見せてきた“冷静なキャラ分析”と“圧巻の演技”

『RoOT / ルート』(テレビ東京系)


途中、佐藤が事故で転落死してしまうことを考えると、まなみの高校生活は共感しやすい部分だけではないが、鑑賞しながら自らの高校時代と重ね合わせた人は多いだろう。

とくに映画の終盤、まなみがひとりで答辞を読み上げる場面の演技は圧巻だった。仲間たちと離れる切なさや儚さだけでなく、亡くなった佐藤への想いが存分に発揮され、演技の域を超えていたともいえるだろう。

他方、映画『愛なのに』(2022)では、主人公・多田(瀬戸康史)の古本屋に足繁く通い、30歳の多田に結婚を求める純真な高校生を演じ、同じ高校生役でも全く違うキャラクターを提示した。とくに本作は、瀬戸をはじめ、さとうほなみや中島歩らが演じる大人のラブストーリーを含んでおり、それらとの対比も素晴らしかった。

河合のどの演技を観ても、役に合った堂々とした佇まいの裏に、冷静なキャラクター分析が行われていることが伺える。主人公、脇役とこれまで演じたキャラクターの立ち位置はそれぞれだが、物語の全体像を的確に把握し、作品における自身の役割を見い出しているのではないだろうか。

放送中のドラマ『RoOT / ルート』においても、W主演の坂東龍汰とも非常にバランスが良い。それぞれが演じるキャラクターの特性もあるが、河合の落ち着いた演技によるところが大きいだろう。

2クール続けて地上波のドラマに出演し、これを機に多くの視聴者の目に留まったはずだ。もちろん映画での活躍も続くだろうが、河合優実が国民的女優といえるほどの知名度と信頼を獲得する日も近いかもしれない。

【あわせて読む】河合優実&坂東龍汰主演、オッドタクシーの世界から新たなミステリードラマが誕生『RoOT / ルート』

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