「その頃はコロナまっただ中だったので、演歌の世界では新人のデビューがほとんどなかったんです。というのも、演歌って昔からキャンペーン周りが生命線なんですよ。しかも演歌ファンってお年寄りが多いじゃないですか。3密とか言われていた時期だし、今は何もできないというのが全体のムードだったんですね。
だけど私はアイドルをやっていたので、集まれないなら配信とかSNSでカバーすればいいんじゃないかという考え方。それまでの演歌にない動きをしたことが、結果的にはよかったんじゃないかと思います」
現在、演歌界では第7世代と呼ばれる若い歌手たちが台頭したことで活況を呈している。かつての氷川きよしや純烈がそうだったように、アイドル的な人気を持ったスターたちは演歌のファン層を確実に若返らせた。女性歌手である望月も、広く捉えるとこうした演歌ニュージェネレーションの代表格といっていい。
「将来の目標ですか? それははっきりしていまして、ズバリ紅白(『NHK紅白歌合戦』)です。演歌をやっている以上、そこを目指さないのは嘘だと思うんですよ。誰でも知っているようなヒット曲を出して、紅白に出て、そしてゆくゆくは海外でもコンサートができるようになりたい。
やっぱりどうしたって私は演歌の世界では異色の存在になってしまうんですけど、自分にしかできないことをやりたいという気持ちは強いんですね。これからも感謝の気持ちを忘れずに、望月琉叶ならではの唄を届けていきたいです」
かつて母が夢見た演歌の花道。娘は今、確実にそれを手中に収めつつある。
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