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UPDATE|2024/05/05

元AKB48湯本亜美、元SKE48谷真理佳…両国国技館で見た「アイドルとプロレスの人間交差点」

(C)東京女子プロレス

東京女子プロレスが、3月31日に2度目の両国国技館大会「GRAND PRINCESS ’24」を開催した。この日、元AKB48の湯本亜美がプロレスデビューを果たし、元SKE48の谷真理佳がアイドルとしてライブに参加。アイドルとプロレスが交差した3.31、両国で何があったのか? 東京女子プロレスの現役&元アイドル選手4人を深堀りしたドキュメント『プロレスとアイドル』(太田出版)の著者であり、元週刊プロレスの記者、小島和宏が解説する(前後編の前編)。

【写真】東京女子プロレス「GRAND PRINCESS ’24」の様子【24点】

JR秋葉原駅から総武線に乗って新宿方面に2駅進むと、水道橋駅に着く。いわずと知れた東京ドームの最寄り駅である。

秋葉原のAKB48劇場から東京ドームまで直線距離で1800m。この近くて遠い道のりを設立当初のAKB48は夢として掲げ、ファンと一体になって東京ドームでのコンサートを目指していった。国民的アイドルと呼ばれるようになる遥か前の話だ。

JR秋葉原駅から今度は反対側のホームから総武線の下り列車に乗ると、おなじく2駅で今度は両国駅に到着する。駅の目の前には両国国技館が建っている。

かつて東京ドームを目指し、そして到達したAKB48グループのアイドルたちが、気がついたら総武線を逆流するように、この春、両国国技館に集っていた。3月31日、東京女子プロレスの両国国技館大会。この日、アイドルとプロレスが織りなす人間交差点がいくつも展開されていた。

このビッグマッチでプロレスデビューを果たしたのが元AKB48の湯本亜美。彼女は2017年に後楽園ホールで開催されたドラマ『豆腐プロレス』のリアルイベントでリングに上がっている。あの日、僕は後楽園ホールで生観戦していた。何人か『あぁ、このまま女子プロレスに転向してくれたらいいのに』と思ったメンバーがいたのだが、その筆頭格が湯本亜美だった(この時点ではまだ荒井優希はリングに立っていない)。

プロレスというよりもルチャ・リブレに向いている。実際、あの日もびっくりするようなルチャのムーブをいくつも披露。さらにはムーンサルトプレスまで繰り出す、見事な闘いっぷりだったのだが、彼女はそのままアイドル活動を続け、プロレスとリンクすることは残念ながらなくなってしまった。

あれから7年。湯本亜美は昨年、AKB48を卒業。現在では女優として活躍しているのだが、女優とプロレスの二刀流で活動している角田奈穂と舞台で共演したことがきっかけで、プロレスとの接点が復活。その角田とのタッグで両国国技館のリングに立つことになったのだ。プロレスとアイドル、さらには女優。人生交差点はとっても複雑で、とっても面白い。

AUTHOR

小島 和宏


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