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UPDATE|2020/02/09

モーニング娘。の絶対的エース・鞘師里保が自分で選んだ未来「もっといろんな世界が見たい」

モーニング娘。年代記 第20回



まるで映画のように美しく広がる街並みや、日本では絶対にできない演出に挑戦する、本場のブロードウェイミュージカル。16歳になった彼女はこのとき「世界には無限の刺激や可能性が待っている」ということを、自分が心から愛するエンターテインメントの輝きを通じて、初めて実感していたのだ。

「そこで吸収できたものが私にはすごく大きかった」「家で動画を観るだけではなくて、それを海外で直接勉強できたら今の自分がもっと変われるんじゃないかなという気持ちになっていきました」(鞘師里保)(※2)

ただ、彼女の心の中には同時に守らねばいけないものも存在していた。それは精神的支柱であった道重さゆみが抜け、新たに12期メンバー(尾形春水・野中美希・牧野真莉愛・羽賀朱音)が加入したばかりのモーニング娘。である。

しかも唯一の先輩だった道重が卒業したことで、代わりに現役の在籍最長メンバーとなった9期にはこれから、モーニング娘。をトップで先導しなくてはならないという重大な責務が待ち受けていた。

だからこそあのときの鞘師里保は、一度は自我に蓋をして、持ちうる全てをモーニング娘。に捧げようとしたのだ。

「私にできることは、ステージで頑張っているのを見てもらうこと」(鞘師里保)(※2)

彼女は2015年春に行われた9~12期メンバーだけでの初ツアー(「モーニング娘。’15 コンサートツアー春~GRADATION」)において、まるでグループに降りかかる悲観を跳ね除けるように、センターポジションで力強く歌い踊り続けた。やがてその姿は言葉無くとも後輩たちに大きな勇気と学びを与え、若いグループのパフォーマンスは、さらに新しい進化を遂げていく。

そして迎えたツアーファイナルの日本武道館。初日公演では不安の涙も見せていた新生モーニング娘。が、千秋楽では見事なパフォーマンスで、満員の会場を熱狂させることができた。

「本当に楽しいライブができたんです」(鞘師里保)(※2)

緊張と不安を乗り越え、大きな達成感を得たという鞘師。するとステージを降りて1人になった彼女に、もう一度、自我は問いかけ始める。

本当はステージよりもっと広いはずのこの世界。しかし歌うことや踊ること以外に何も知らないままの自分には、この先一体何が残せるのだろうか。

「社会のメンバーとして役割を果たせる大人になりたい」(鞘師里保)(※3)

AUTHOR

乗田 綾子

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