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UPDATE|2020/05/05

引退から1年、レジェンド吉沢明歩が語る「AV女優としてのジレンマ」

撮影/松山勇樹


──今年1月16日に麻美ゆまさんとツーマンライブを行いましたけど、音楽活動は継続してやっていく気持ちはあるんですか?

吉沢 ですね。まだ歌に対する苦手意識は消えてないんですけど、自分からチャレンジをやめたり、可能性を閉ざしたりはしたくないんです。なので今もボイトレには通っています。ソロで何かをやろうとかは考えてないんですけど、ライブの機会があったら、これからも出たいですね。

──AV引退に不安はなかったですか?

吉沢 ありました。ただ精神的に、これ以上続けたら自分の中で守ってきたものが崩れちゃうと思ったんですよ。やりがいを持ってAVの現場に臨んでいたのに、行きたくないなとか、この作品に出たくないなとか思いながら続けたくはなかったんです。一番いい時に辞めたかったんですよね。

──本書では作品名を出して赤裸々に嫌だった撮影現場のことも書いていますよね。

吉沢 そうですね(笑)。300本以上のAVに出演したので覚えてない作品もあるんですけど、良かった作品、悩んだ作品、これはないなと思った作品などを挙げました。

──16年間やってAVシーンの変化は感じますか?

吉沢 感じますね。たとえばAVの定番プレイとなった中出しと潮吹きですが、それをカップルが普通に取り入れるって昔はなかったと思うんです。それをやるのが当たり前になったのはAVの影響だと思うんですけど、AV女優としてではなく、一人の女性として考えると、間違った知識を演出してしまったジレンマはありました。今の若い人たちが、どういう性の価値観を持っているかは分からないですけど、それを正したいなという気持ちも、この本では書いてあります。

──吉沢さんは女性ファンも多いですよね。

吉沢 ドラマ『嬢王』(テレビ東京)に出演させていただいたのと、やはりマスカッツの影響が大きかったですね。おかげさまで女性ファンも増えましたし、セルAV店のイベントに子連れで来るご夫婦もいらっしゃいましたからね(笑)。お子さんから似顔絵をもらったこともあって、今も大切に取ってあります。

>>インタビュー(3)「引退後の日常と結婚観」はこちらから。

吉沢明歩
▽『単体女優 AVに捧げた16年』(光文社)
発売日:3月28日
定価:1,760円(税込)
出版社:光文社
AUTHOR

猪口 貴裕


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