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UPDATE|2014/08/03

Berryz工房という奇跡「無期限活動休止」の意味

私たちが10年間、目にしてきたものは奇跡だったのだ。10周年を迎えることが出来るアイドルグループが、一体どれだけいるのだろうか。いつ会えなくなるかわからないアイドルの儚さと、Berryz工房という1つの奇跡について。

 2014年8月2日、中野サンプラザで開催中の『Hello! Project 2014 SUMMER ~KOREZO!~』昼公演にてBerryz工房が来春にて無期限活動休止することが発表された。彼女達は1年程前から、グループの将来について話し合いを重ねていたという。

 


 2004年3月、『あなたなしでは生きてゆけない』で華々しくCDデビューを飾った彼女たち。翌年にリリースした6thシングル『スッペシャル ジェネレ~ション』はオリコンチャート初登場7位に食い込むスマッシュヒットとなった。結成時は小学生であったが、成人を迎えた現在までには様々な事件があった。

 熊井友理奈の身長が予想外に伸びたり(現在公称176cm)、当初はロリータキャラであった菅谷梨沙子が年齢を重ねるに連れて声量を増し個性派DIVAに成長したり、地上波のバラエティー番組で’’ももち’’こと嗣永桃子が身体を張ったギャグで大躍進して露出が莫大に増えたり……成長を通して当初からは想像もつかないような変化が生まれ、化学反応を次々と起こしていった。昨年は悲願の日本武道館単独公演も達成し、ここから更なる飛躍が期待されたタイミングでの無期限活動停止となった。

 身長もバラバラ、性格もバラバラ。とにかく全員がマイペース。Beryyz工房の存在はアイドル界の中でもかなり異質な存在であった。アイドルらしからぬ全身タイツ着用のMVが印象的な『行け!行け!モンキーダンス』など飛び道具的な楽曲もしっかり演じ切ることが出来た。優等生タイプの同期ユニットである℃-uteと比較されることも何かと多いが、それも相俟って彼女達の強烈なキャラクターと魅力はより深まっていった。これからもずっと当たり前のように、無茶苦茶で破天荒なアイドルを続けてくれるような気がしていた。

 その彼女達が来春、ステージから姿を消してしまう。解散ではなく活動停止という言い方をしたのは、「Berryz工房は私たちの青春であり、大切なものなので解散という言葉を遣うとそれがなくなっちゃうようなので活動休止とさせていただきました。」という考えからだ。

『普通、アイドル10年やってらんないでしょ?!』という楽曲タイトルには、「それでも10年間やりきったから、ちょっと将来を考えるね。」という意味が込められていたのかもしれない。来春までの残された時間。奇跡を、追いかけるしかない。


 
achico 寝ても覚めてもアイドルポップ!なOL / フリーライター。東京生まれH!P POP育ち。日々、アイドルに踊らされています。

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