FOLLOW US

UPDATE|2021/03/06

着の身着のままで東京に…日本維新の会・馬場幹事長の「政治家魂が目覚めた瞬間」

左から馬場伸幸、井上咲楽 撮影/荻原大志



馬場 他にも車で親分の横に乗っていると、電話で話していることが聞こえてくるわけやね。ほんで、次の日、ぱっと朝刊を見たらその話が載っているわけね。昨日車の中で聞いた話やん! と。そうやって世の中が動く仕組みがだんだん分かってくるうち、秘書という仕事を通して自分もその中の1つの歯車となっていることに気づくわけ。そしたら、さらに仕事が面白くなってきてね。人間って世の中に生まれてきた以上、みんな社会の歯車になるわけで。だったら、俺はちっちゃい歯車じゃなく大きい歯車になったる、と思うようになっていったわけです。

井上 その時点での夢は、変わらず青年実業家だったんですか?

馬場 そやね。だけど、平成5年に地元の堺で市議会議員の補欠選挙があったんですよ。その前に親分から呼ばれたの。「地元で市議会の補欠選挙があるの、知ってるか?」「知ってますけど……」「キミ、出れ!」「先生ね、東京へ来るときもそうでしたけど、明日から来いとか、選挙にお前出れ! とか、人の人生を勝手にね、急に変えるのやめてもらえません?」となりました(笑)。

井上 それはそうですよね(笑)。

馬場 実はそれまでも何回か「政治家に向いている」と言われては、「僕は青年実業家を目指してますから」と言うててんけど。親分も本気やったから、逆らえん。親も「お前が8年間仕えてきた親分が、そういうふうに言うてくれるんやから、やったらええやないか。まだ28歳やから、やれやれ!」と言い出し、しゃあないなと出せていただいたんです。

井上 そうだったんですね。

馬場 結果、当選さしていただいて。しかも、補欠選挙やったから普段の市会議員選挙とは票の単位が違い、得票数が6万3577票やった。

井上 すごい。

馬場 その瞬間に自分の中で、気持ちがカチッと切り替わった。甲子園球場とか東京ドームが満員になるくらいの人が、わざわざ日曜日に近所の投票所に行って、自分の名前を投票用紙に書いてくれた、と。こうなったら、この世界でとことんまでいったろう、と。目標が「俺は内閣総理大臣を目指してやる」に変わり、そういう流れで政治の世界に入ったわけです。

(取材・文/佐口賢作)

▽井上咲楽(いのうえ・さくら)
1999年10月2日生まれ、栃木県出身。A型。『アッコにおまかせ!』(TBS)、『おはスタ』(テレビ東京)、『サイエンスZERO』(NHK Eテレ)などに出演中。2020年末の番組でトレードマークの眉毛をカットし大きな話題を呼んだ。
Twitter:@bling2sakura

▽馬場伸幸(ばば・のぶゆき)
1965年1月27日生まれ、大阪府出身。日本維新の会所属・衆議院議員。20年間、堺市議会議員を務めた後、2012年の衆議院議員選挙で初当選。日本維新の会の幹事長、選対本部長を務める。
CREDIT

取材・文/佐口賢作 撮影/荻原大志


RECOMMENDED おすすめの記事