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UPDATE|2021/12/11

M-1決勝進出・錦鯉 渡辺隆が語る相方・長谷川雅紀という笑いの天才「バカで同じ話ばかりしても面白い」

錦鯉・渡辺隆 撮影/松山勇樹



だからコンビを組んだ瞬間から、雅紀さんを前面に打ち出して、雅紀さんに頑張ってもらって、それで僕はメシを食っていこうと考えました。テレビに出ることさえできれば、雅紀さんはみんなからいじられ、場が盛り上がることは間違いないと思っていましたから。一種の信頼感というのかな。でも、それはコンビを組んだときから現在まで一貫して変わらないですね。

 そんな雅紀さんに対する僕の立場というのは、「注意」なんですよ。お笑いは「ボケ」と「ツッコミ」によって成立すると一般的に言われていますけど、僕はツッコミどころか話の進行もしていない。ひたすら雅紀さんのやることなすことに注意しているだけだから、他の芸人さんとはだいぶ勝手が違うはず。お客さんが理解しやすくなるように注意はしますけど、「錦鯉の笑い=雅紀さんの面白さ」と言い切っていいと思うんです。

僕、雅紀さんと組む前はずっとボケをやっていたんですよ。もし雅紀さんと組んでいなかったら、今頃どんな芸風になっていたんだろうな。ちょっとそこは想像できないけど、少なくても今みたいな状況で活動できていないことは確かでしょう。

雅紀さんって同じ話ばかりするんです。「それ、昨日も聞いたよ」ってことがしょっちゅうある。でも、僕はそのたびに笑ってしまうんですよね。「マンネリが許される面白さ」と言いますか。ときには僕が教えた話を、得意げに僕に話してくることもありますし(苦笑)。一緒にいて、まったく飽きないです。雅紀さんに関しては、ある意味、僕が一番のファンかもしれないですね。(後編に続く)

【後編はこちら】M-1決勝進出・錦鯉 渡辺隆が語る恋愛「13年なにもない、芸人ってモテるんじゃないの?」

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AUTHOR

小野田 衛


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