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UPDATE|2022/12/12

乃木坂46、齋藤飛鳥卒業シングル『ここにはないもの』が示す新しいグループの萌芽

乃木坂46 31stシングル『ここにはないもの』初回盤A



フォーメーションの観点から見ると、齋藤を挟むように3期生の山下美月と与田祐希、4期生の遠藤さくらと賀喜遥香と盤石の布陣が敷かれている。フロントの4人は27thシングル『ごめんねFingers crossed』以降の固定メンバー(『Actually…』を除く)でもあり、齋藤から4人へと乃木坂46の歴史が受け継がれていくという思いも感じられるフォーメーションだ。さらに今回は前作で初選抜入りを果たした金川紗耶が2列目の十一福神に選ばれるなど、ダンス力の高い金川が生きる形になっているのも見ものだ。

そして今回から林が3列目に選ばれた。2020年2月から乃木坂46に配属された林は、「4期生ライブ2020」で『自分のこと』ソロ歌唱したことで注目を集め、『乃木坂スター誕生!』(日本テレビ系)では中森明菜の『少女A』をクールに歌い上げるなど、その歌唱力の高さが大きくフォーカスされていくようになる。4期生が初参加となった「28thSG アンダーライブ 」で歌唱力のある伊藤理々杏、柴田柚菜、中村麗乃、弓木奈於らとともに『遠回りの愛情』を披露しており、当時を振り返って林は「4期生を応援してくださっている方は『乃木坂スター誕生!』(日テレ系)や4期生ライブで、私の歌声を知ってくださっているかもしれないけど、アンダーライブなので、先輩方のファンで知らない方も多いはず。

この曲のメンバーに選んでいただいたからには、そんな方たちに『なんでこの子が出てきたんだろう』と思わせないように力を入れました」と語っている(EX大衆』2021年12月号)。実際に同ライブでのパフォーマンスが伏線となって、「真夏の全国ツアー2021」の東京ドーム公演では『きっかけ』をメンバーが歌いつないでいく演出のなか、林は重要なパートを任されている。

そこから選抜発表では「アンダーでも選抜でもどっちにもいて欲しいって思ってもらえるくらい、今まで自分の身につけてきたものを最大限に発揮してより成長していけたらいいな」と語っていた林。その強みとはアンダーを経て身についた歌唱力に他ならない。31stシングルでは、歌唱力、パフォーマンスともに成長した林の姿が見られるはずだ。

AUTHOR

川崎 龍也


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