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UPDATE|2022/12/14

「引きこもりでろくな人生を送ってこなかった」真っ白なキャンバス・小野寺梓が見つけた居場所

撮影/大宮高史


「誰かの代わりのように思われるのが嫌だったんだと思います。後から追加メンバーとして入ると、もしかしたら抜けた子の代わりに思われたり、先輩メンバーと比べられるかもという不安があって、余計に自信がなかったんでしょうね。でもアイドルになりたいし必要とされたい気持ちがあったから、新しいグループでならゼロから認められて、私の居場所を作っていけるかも、という希望がありました」

 暗い過去を振りきって居場所を求めた小野寺だが、ファンの声援とグループへの責任感が、メンバーとしての自覚を強めてきた。「白キャンに入って、人生で初めてお世辞でなく『可愛いよ』って言ってもらえて、髪型のこともいじってもらえたりしてくれました。私がグループを引っ張らなきゃとか、今やめたらメンバーもファンもどうなっちゃうの?と考えるようになって、アイドルを続けるか、やめるかも私ひとりで決められることではなくなってきたのかな」

 グループは4人でスタートし、小野寺は可愛い正統派キャラ、あるいは引きこもり歴のあるインドア系キャラクターでいた。だが、「初期メンバーが卒業を言い出した時は全員一度は引き留めました」という過去もある。

「まだ大丈夫じゃない?もっと(白キャンが)落ち目になってからでもいいんじゃ?と言って止めたんですよ(笑)。今もですが、白キャンはもっと上を目指せると思っているので。それに、私の方が『もし梓ちゃんが辞めたら私も辞める』ってメンバーから言われたこともあったので、簡単に投げ出すわけにいかなくなってたんですね」

 真っ白なキャンバスのセンターとして活動していくうちに、彼女のアイドル性に憧れる後輩もできた。

「2年前に加入した浜辺ゆりなは加入前から白キャンのイベントに来てくれていて、メンバーになってからも私のことを何でもほめてくれるんですよ。顔もパフォーマンスも全部好きです!って言ってくれるし、性格もダメなところばかりなのに『そういうとこも好き!』ってポジティブにほめてくれるので、私も安定したメンタルでいられるというか(笑)ありがたいですね。」

 メンバーの増減がある中で唯一結成時からいるオリジナルメンバーとなり、真っ白なキャンバスは彼女にとって確かな居場所になった。メンバー・ファンともに彼女のアイドルらしいところも、そうでないところも認めてくれている。

【後編】「24時間アイドルという人種を生きる」真っ白なキャンバス・小野寺梓の決意
AUTHOR

高史 大宮


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