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UPDATE|2023/02/04

現役生活19年に終止符、“アイドル渡り鳥” 金澤有希がマイクを置く理由

金澤有希 撮影/荻原大志



ここまで一気に語ると、金澤は一息置いてから「アイドルにとって一番大事なのは感謝の心」とポツリつぶやいた。

「めちゃくちゃ綺麗事に聞こえるかもしれないけど、絶対、感謝の気持ちだけは忘れちゃいけないと思うんです。それは誰に対してもそう。メンバーに対しても感謝。スタッフさんに対しても感謝。親に対しても感謝。もちろんファンの方に対しても感謝。出会ったすべての人に対して感謝するのは、当たり前のことで、“ありがとう”の気持ちを失ったら、アイドルとしては死んだも同然だと思う。ファンの方あっての活動だということは、後輩がアドバイスを求めてきたら何百回でも言い続けたいですね」

 今すぐにでも指導者になれそうな抜群の説得力だが、こうした金澤の「ファン第一主義」は配信をやることでさらに強固になったという。メンバーの中でも金澤は配信に力を入れていることで知られている。そこには明確な理由があるようだ。

「配信ってその日によって空気感も違うし、ファンの方が何を求めているのか敏感に察知する能力が必要なんですね。今日は自分語りをしたほうがいい日なのか? それとも、みんなとコミュニケーションを取ったほうがいいのか? ファンの方不在で自分の言いたいことだけ発信していたら、アイドルというよりは単なる歌って踊るだけの女の子じゃないですか。ファンの方がいるからアイドルが成り立つというのは、ここでも同じことが言えるんです。これって別に配信のテクニックを話しているわけじゃなくて、とにかくファンの方を第一に考えるということを徹底するべきなんです」

 自分1人の力ではここまで来ることはできなかった。ファンを含めた周囲の支えがなかったら、アイドルはアイドルでいることすらできない。こうした確固たるアイドル哲学を持つ金澤は、同業者からもリスペクトされるようになった。記事後編では19年のアイドル人生を総括しつつ、自身とグループの未来についてシュート発言を連発してくれた。

【後編はこちら】スパガ・金澤有希、ラストメッセージ「たぶん私、アイドルになるために生まれてきた」
AUTHOR

小野田 衛


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