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UPDATE|2019/05/23

AKB48グループ卒業生 大木亜希子が語る「元アイドルという名の十字架」

『アイドル、やめました。AKB48のセカンドキャリア』の著者 大木亜希子。自身もSDN48卒業生 撮影/松山勇樹


──ちなみにアイドル卒業後のセカンドキャリアまで経験した大木さんは、若い人たちがアイドルになりたいって言ったらオススメしますか?

大木 オススメはしません(笑)。簡単にはオススメできないというか。アイドルをやっていると自尊心が傷つくことがたくさんあるんです。でも、それを乗り越えた先に光がある。その一筋の光を捕まえるために皆頑張っている気がするんです。その覚悟がないと厳しいと思うので、簡単にはオススメできないですね。

──本の最後では「成仏」という言葉を使っていますが、今回の本でアイドルについては書ききりましたか?

大木 書ききりました。元アイドルというモヤモヤは書ききったので、今後はアラサー女性の生き辛さ、「結婚まだ?」「収入いくらなの?」「誰と住んでいるの?」とか言われて生き辛さを感じている人をホッとさせるような文章を書きたいです。

──本ではアイドルは通過点と書いていますが、この本で取材した8人の今もまた人生の通過点です。数年後に改めて8人を取材したりは?

大木 この本の序文で「人生の答え合わせをしたい」って書いた時、自分で「生意気だな」って思ったんです。29歳の小娘が何を言っているんだろうと。でも、そう書くしかなかったんです。あくまでも29歳の今の答え合わせ。その今の視点で切り取ったので読んでくださいと。また数年経ったら、その時の視点で書くことができるかもしれないですが、その時に“元アイドルの十字架”がまだ彼女たちの中に残っているかは分からないですよね。

──元アイドル、また現役のアイドルたちにこの本を読んでもらいたいという思いは?

大木 もちろん私と同じような経験をした人もそうだし、これからしようとしている人にも読んでいただいて判断材料にしてもらえればいいと思います。ただ、どんな読者に伝えたいかというと、人生に疲れたり生きづらさを感じたりしている一般の20代30代、職業に悩んでいる人に広く読んでいただきたいですね。

アイドル、やめました。
▽『アイドル、やめました。 AKB48のセカンドキャリア』(大木亜希子著/宝島社刊)
元SDN48メンバーで現在はフリーライターとして活動する大木亜希子が、AKB48グループ卒業生ら8人の今を取材したノンフィクション。登場するのは佐藤すみれ(クリエイター・元AKB48/SKE48)、河野早紀(ラジオ局社員・元NMB48)、赤澤萌乃(アパレル販売員・元NMB48)、藤本美月(保育士・元SKE48)、菅なな子(広告代理店社員・元SKE48)、山田麻莉奈(声優・元HKT48)、三ツ井裕美(振付師、元SDN48)、小栗絵里加(バーテンダー、元AKBカフェっ娘)の8人。


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