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UPDATE|2023/03/02

武藤敬司引退の夜・90年代プロレスの最終回と令和女子プロレスの夜明け、伊藤麻希が空気を変えた

(C)東京女子プロレス



異色なのは伊藤麻希だ。彼女は九州を拠点とし、人気を集めていたアイドルグループ・LinQのメンバーだった。当時から東京女子プロレスのリングに参戦していたが、グループ再編により、卒業を余儀なくされると『クビになったアイドル=クビドル』としてリングで狂い咲く。いまやアメリカでも大人気の『新時代のカリスマ』に登り詰めた。これだけアイドル出身のプロレスラーが活躍できているのは、彼女が新たな道を開拓してくれたからである。

そして渡辺未詩はプロレスラーとアイドルの活動を同時にスタートさせ『プロレスラーで武道館のメインイベント、アイドルとして武道館で単独ライブ』をぶちあげてスタートしたアップアップガールズ(プロレス)の立ち上げメンバーだ。

渡辺未詩に関しては2月21日の朝、ロングインタビュー記事をアップしているので、詳しくはぜひ、そちらをお読みいただきたい。

間違いなく東京ドームで注目される、と踏んでドーム当日に配信することにしたのだが、期待に応えて、渡辺未詩はとてつもないインパクトを残してくれた。

現役のAKB48グループメンバーからクビドルまで。

もう、この4人のバックボーンから東京ドームのリングに立つまでの道のりを記すだけで一冊の本になってしまいそうな濃密すぎるドラマがある。4人が並んでいるだけで、リング上はアイドルフェス状態! もっともアイドルとして東京ドームには立ったことはないわけで(荒井優希はナゴヤドームの経験アリ)、そういう視点で眺めると、なんとも感慨深いものがある。

プロレスが『冬の時代』に突入したとき、未曾有のアイドルブームがやってきて、幾多のアイドルが東京ドームをフルハウスにした。

その波に乗ることができなかったアイドルたちが、プロレスラーとして東京ドームのど真ん中に立つ。こんな大河ドラマ、なかなか見られるものではない。

そして、4人の中で誰よりも早くドーム級の声援を浴びたのは、誰あろう『クビドル』。彼女が放った大バクチの奇行が、すべての流れを変えた。

【後編はこちら】武藤敬司引退の第0試合・東京女子プロレスに客席から声、声、声!「馳浩を超えた!?」とSNS騒然
AUTHOR

小島 和宏


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