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UPDATE|2023/04/01

88歳でイケメン、BL、韓ドラにドハマり…東海林のり子「歳を取るってつらいことじゃない」

東海林のり子 撮影/松山勇樹



高橋文哉という俳優で、最近はドラマや映画に出演しているのでそれを追うのが楽しいという。俳優は他にも綾野剛、菅田将暉、山田孝之が好き。一般人への目配りも忘れない。少し前に骨折した際は、理学療法士がイケメンだったことによりリハビリに力が入り、無事に完治したという。

好きなものの布教にも余念がなく、最近、70代の友人が「韓国ドラマからBL」という流れで「沼落ち」した。「東海林さんに教えてもらって、本当にこれからの人生が楽しくなる」という最大級の感謝の言葉を頂いたそうだ。

これまでの人生では仕事が忙しく、ドラマを観る時間などなかったそうだ。80代の今、それを埋め合わせるように観ていたら「楽しいこと」がどんどん増えたようで、「推し」の話をするときの東海林さんは目がキラキラと輝いている。

それにしても発見だったのは、「推しが複数いてもいい」ということだ。なんとなく、推しは一人でなきゃいけない気がしていた。が、東海林さんにはこれほど複数の推しがおり、だからこそ、目一杯楽しんでいる。人の目なんて気にしても仕方ないですよね、というと「そんな暇ないのよ!」と東海林さんは笑った。

「家を9時半に出なきゃいけないのに、あ、あと30分ドラマ観れるなって観ちゃうんです。それで遅刻しそうになったりするんだけど、でもこれほど楽しいことないでしょ? だからたぶん、人生って楽しいんだよね」

そうして東海林さんは言った。

「歳をとっていくことは、つらいことではないのよ。肉体的には衰えて、階段登るの大変とかいろいろあるけど、精神的には楽しくなるのよ。それとやっぱり、ホルモンが大事だからね(笑)」

長寿の秘訣は「推し活」。40代で、なんとなく「もうキャーキャー言ったりしちゃいけないのでは」なんて思っていた私だったが、東海林さんにこれ以上ないほどの勇気をもらったのだった。東海林さん、これからもついていきます!!

▽雨宮処凛
バンギャやフリーターなどを経て、2000年、自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版/ちくま文庫)でデビュー。06年から格差・貧困問題に取り組み、取材、執筆、支援活動を行い、メディアなどでも積極的に発言をしている。07年に出版した『生きさせろ! 難民化する若者たち』(太田出版/ちくま文庫)ではJCJ賞(日本ジャーナリスト会議賞)を受賞。著書多数。新刊『学校では教えてくれない生活保護』(河出書房新社)が絶賛発売中。

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