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UPDATE|2023/04/15

『だが、情熱はある』があぶり出す蓋をしてきた葛藤、自意識と向き合う勇気はあるか?

『だが、情熱はある』(日本テレビ)公式サイトより


2人が高校生だった20~30年前に「何者かになる」「自分探し」といった言葉が流行ったが、ここ最近は耳にする機会は減った。しかし、「影響力を持ちたい」「自分らしく生きたい」という言葉に変化したが、今も尚その渇望を求める人は少なくない。とはいえ、こういった自意識を表出する言動は、以前よりも冷笑されやすくなり、山里が口にしたように「モテたい」「何者かになりたい」という本心を押し殺している人は多いように思う。

そのため、あそこまで自分自身の醜くも純粋な心の叫びを吐き出す姿は、若い人には新鮮に映ったのではないか。翻って30代以降には、これまで蓋をしてきた葛藤を再び思い起こされ、息苦しさを覚えた人も珍しくないように思う。実際、30代前半の筆者もSixTONESのカッコ良いエンディングテーマ『こっから』が上の空で聞き流してしまうほど、「自分はなりたい自分になれたのか?」という自問自答に苛まれた。

2話以降も自意識とガチンコでぶつかり合う2人が映し出されるだろうが、自分自身が避けてきたもの、あえて忘れてきたものと真剣に向き合う2人のまぶしさに面食らわないか心配である。それでも、泥臭くも前に進み、どのように何者かになるのか、その姿を目に焼き付けたい。

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AUTHOR

望月 悠木


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