まず注目すべきは、YouTubeでの両軸戦略だろう。
「新しい学校のリーダーズ」は、自身のチャンネルとレーベルのチャンネルの二つを駆使してMVやライブ映像を配信。「88rising」チャンネルは英語圏のファンがメイン層となり、そこにはダンスパンク風の『The Edge』やEDMサウンドが随所に盛り込まれた『Pineapple Kryptonite』など、英語歌詞をのせたダンスチューンが投稿されている。名前も「ATARASHII GAKKO!」と海外向けの表記にする徹底ぶりだ。
一方『オトナブルー』をはじめとする日本語歌詞かつ歌謡曲風のメロディが特徴的な楽曲は、国内ファンが多く集まるユニット公式チャンネルへと投稿。ショート動画も数多く配信し、彼女たちの素顔が見られる貴重な場としても機能している。こうしたチャンネルの使い分けによって、国内外のファンを巧妙に繋ぎとめることに成功した。
さらに彼女たちが披露するダンスのコンセプトも唯一無二の存在感を放つ。
現在、K-POPのアイドルたちが得意とするヒップホップダンスを基調とした横乗りのダンスが主流となっている中、彼女たちは大きく両足を開いた“ガニ股”が特徴的な縦乗りのスタイルで踊っているのだ。
このダサかっこいいスタイルは、“ポストK-POP”ともいうべき新たな風潮の先駆けともいえるだろう。一見古風なスタイルに見えるが、その見た目とは対照的にダンスパフォーマンスシーンの新たな地平を切り開くための独自戦略なのだ。
「新しい学校のリーダーズ」は、昭和感あふれる古風なスタイルと、巧妙なマーケティング戦略を駆使して、世界中に新たな風を吹き込んでいる。学校のような旧来の模範的システムをはみ出し、挑戦し続ける彼女たちは、日本のエンタメの未来をリードしていく存在になっていくに違いない。
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