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UPDATE|2023/05/30

有村昆がお悩みを映画で解決!絶対に謝らない部下にイライラ…44歳管理職からのSOS

有村昆 撮影:松山勇樹



そこでもう一本、不朽の名作『ビッグ』をお勧めします。トム・ハンクス主演、ペニー・マーシャル監督、1988年の作品です。ミュージカルにもなっていますね。

有名な作品なので、ストーリーはご存知かと思いますが、13歳のジョシュという少年が「大きくなりたい」と願ったら、中身はそのままで見た目が大人になってしまった。なんとか元にもどろうと思ってニューヨークを彷徨うんですが、ひょんなことからオモチャ会社に就職。そこの社長に「大人が失ってしまった子供の感性」を見出され、ジョシュは商品開発のアドバイザーに起用されて次々とヒット作を生み出していきます。

この『ビッグ』が素晴らしいのは、会社の組織や立場を忘れて、子供の純粋無垢な気持ちで『こんな商品あったら面白いよね』とピュアに考えることで成功していく所なんですよ。

大人だったら、働いて会社が儲かってボーナスが出たとか、昇給などで喜ぶじゃないですか。でも、そもそもの原点に立ち返るならば、会社に入って、商品開発部に配属されて、考えたことを形にできるという、仕事そのものが楽しいことが理想です。

いつのまにか縛られていた、大人のお約束事を一旦リセットしてみてはいかがでしょう。「なぜ仕事をしているのか」とか「なんでお金を稼いでるのか」とか、そもそもの部分に1回立ち返って考えてみるという視点が、この『ビッグ』には詰まっているなと思います。

相談者さんも、部下のことや、残業のことなど、本来のご自身の仕事以外の部分にがんじがらめになってると思うんですよ。そこで『ビッグ』を観ていただければ、そもそもこの会社にいるご自分の意味とか、本当にやりたいことはなんだろうとか、ピュアな子供心に立ち返って考えてみることができるかもしれません。

あと、このお悩みには、今どきの若い世代との付き合い方が難しいという要素もありますよね。すぐ辞めちゃうとか。相手のためを想って言っていても、ハラスメントになってしまうとか。

僭越ながら僕が思うには、若者に寄り添うというのは、年を取ってる側の義務だと思うんです。やっぱり時代は変わっていくし、年寄り側の考えていることのほうが、全部正しいわけではない(笑)。例えば、僕らは上の世代からウサギ飛び100回とか、部活中は水飲むな、みたいなことを押し付けられたけど、結果間違いだったこともありますよね。

時代と共に僕らもアップデートしていかなきゃいけない。部下に対して命令したりも過剰に期待したりもせず、フィフティ・フィフティな関係を基本にして、ちょっと降りていくという感覚で付き合ってみる。そうすれば、見えなかった良さが見えてくると思います。

この『ビッグ』の例で言うと、子供心を持ったジョシュの純粋さが際立ちますけど、「それいいね!」とすぐにポジションを与えた社長や上司も仕事ができるってことなんですよね。

僕も含めてですが、とかく、常識や習慣に囚われがちですが、まずは肩の力を抜いてオープンにフラットに接してみてはいかがでしょうか。

▽お悩み募集中!
有村昆さんに映画を処方してもらいたい方は、お悩みと年齢、職業、性別を明記して以下のアドレスにお送り下さい。採用された場合、当企画で取り上げさせていただきます。
entame@shoten.tokuma.com

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