それまであまり人と関わることのなかった保健室通いの18歳の少女。SNSを飛び出した現実の世界は慣れないことばかりだった。
「『じゅじゅ』としては2年間活動しました。歌も踊りも初めてだったし、ダンスにかんしては最後の最後まで結局苦手なままで（笑）。ただ、号泣してしまった特典会は、ファンの方々が優しく何度も話しかけてくれて、徐々に人見知りの性格を変えてもらいました。『じゅじゅ』としての活動が私を変えてくれたし、今の私がいるのは『じゅじゅ』があったからかもしれません」
しらいは「じゅじゅ」として活動中にロリータのバイブルとも言われる原宿系ファッション雑誌『KERA』にも出演。「じゅじゅ」卒業後はこの雑誌の存在が彼女を大きく変えた。
「『じゅじゅ』を辞めてからは、自分って一体何者なんだろうと問う日々でした。そこで、思い切って『KERA』編集長のInstagramに『アイドルを辞めて、これからはフリーでやっていくのでよろしくお願いします」とDMしたんです。
もしかしたら、アイドルだったから雑誌にも呼んでいただけていたのかもしれない。そんな不安がありつつも行動に移しました。すると、今までと変わらず雑誌にモデルとして呼んでもらえるようになって。自分の存在意義をいただけたようでした」
ロリータ・ファッションを提案することの多かった『KERA』。しらい自身も私服でロリータ服を身につけ、気がつくと彼女のトレードマークにもなった。
「学生時代からロリータ服に憧れがあって、値段の安いロリータ服を頑張って購入して文化祭で着たりしました。ロリータ服を着れば絶対に可愛くなれるし、メンタルも強くなれるんです。服が違うだけで、違う自分になれるようでした。まさに“武装”です」
