FOLLOW US

UPDATE|2023/08/03

『リコリコ』『ぼざろ』『ウマ娘』続々と舞台化、いま男性向け2.5次元舞台がアツい理由

舞台『ウマ娘 プリティーダービー』



男性向け2.5次元舞台のブームを準備したのは、おそらく2016年ごろより始まった『アサルトリリィ』の舞台化だろう。とくに2020年9月から全15回上演された舞台『アサルトリリィ The Fateful Gift』は、合計観劇者数15,000人突破という記録を残している。

さらに2017年には、“舞台少女”たちの物語がミュージカルとアニメで同時展開するメディアミックスプロジェクト『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』が始動。ミュージカルの展開はTVアニメより先に行われ、舞台初演から早々に再演が決定するほどの人気を見せた。

こうした作品が舞台に親しむ男性ファンを増やした結果、現在のブームの着火剤となったのかもしれない。

とはいえ近年の男性向け2.5次元舞台には、これまでの舞台化作品とは違った特徴があるように思われる。作品の下地からして、リアル(3次元)との親和性が高いのだ。

たとえばアニメ『リコリス・リコイル』の主人公・錦木千束を演じた安済知佳の演技は、いい意味で印象に残るものだった。いかにもアニメキャラ然としたデフォルメが効いた演技ではなく、等身大の女子高生らしいリアルな質感が特徴的だ。

同作にのめり込んだファンたちは、すでに2次元を超えた質感に魅了されていたと言える。そのため、役者が身体表現で作り上げた3次元の舞台も、違和感なく受け入れられたのではないだろうか。

なお舞台『ウマ娘』は『リコリス・リコイル』とは条件が違うものの、ゲーム版と同じ声優を起用し、その身体表現を挟むことで、原作の世界観となめらかに接続している。舞台化を成功させるカギは、2次元と3次元を接続するための工夫にあるのだろう。

2023年は、男性向け2.5次元舞台の正念場となるはず。まずは舞台版『ぼっち・ざ・ろっく!』の成功に期待しよう。

【あわせて読む】一段と衝撃が走る? 涙なしには見られない『鬼滅の刃』敵味方を超越した女性キャラの死に際

RECOMMENDED おすすめの記事