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UPDATE|2023/08/15

いぎなり東北産、グループ結成8周年記念イベントで大はしゃぎ「一歩ずつ前に進んでいけたら」

いぎなり東北産



今回の8周年イベントにおいて、ダイナミックな放水演出以外で特筆すべき企画といえば(メンバーそれぞれが先輩アイドルや他のアーティストの曲を披露したメドレーコーナーもさることながら)、スイカ割りからの「マイム・マイム」だろう。これは、7月に行なわれたYouTube19時間配信の中で視聴者にインパクトを与えた「マイム・マイム号泣事件」をトリビュートしたもの。

今回は、橘花怜が19時間配信では実施できなかったスイカ割りにチャレンジし、もし見事スイカを割ることができたらみんなで「マイム・マイム」を踊る、という内容となっている。ステージにはさっそく山形県産の尾花沢スイカが運び込まれ、橘花怜も目隠しをして、準備万端。スイカ割りのスタートだ。

安杜羽加を中心とした的確なナビゲートとメンバー間のチームワークで、橘は目隠し状態ながらもソロリソロリと着実にスイカとの間合いを詰めていく。そして気合いを込めて木刀を一気に振り下ろすと、飛沫とともに尾花沢スイカを一刀両断。内側から赤い果肉が覗くと、メンバーは飛び上がって橘に駆け寄る。そして会場に流れ出す、聞き馴染みのあるイントロ。観客からの手拍子と「マイムベッサッソン」の声に包まれながら、割れた尾花沢スイカを囲んで、メンバーは一心不乱に「マイム・マイム」を踊り出す。我々は山形まで来て一体何を観ているのか。そんなことを考えてしまうのは野暮というものだ。

一方で、いぎなり東北産らしいカオスを見せつけたのは、「恋はじめ」の曲の間だけステージ上で行なわれた流しそうめんだろう。「本番前もアイスしか食べてなかったりして、メンバーみんなお腹が空いたよね?……じゃあここで、流しそうめんやりたいと思います!」という強引すぎる展開を、特に疑問に思うことなく歓声で迎え入れてしまうオーディエンス。そしてスタッフ総動員でステージに設置される流しそうめんセット。

「恋はじめ」といえば、その昔、まだ彼女たちがメイク禁止だった頃、どうしてもメイクをしてライブがしたいメンバーからの要望に応えるため、「『恋はじめ』の曲中のみメイク可」という企画をライブ中に行なった経緯がある。そして今回の流しそうめんを食べながら歌うという企画は、上記の「曲の間だけメイクができる企画」の夏バージョンなんだそうだ。

ハンドマイクを首から下げられるアタッチメントに装着し、めんつゆと割り箸を手にした9人。「恋はじめ」の曲に合わせて、桜ひなのから順に器用に歌いながらそうめんを食べていく。このタイミングで観客の撮影可能タイムになっていたことから、食べることだけに集中するのではなく、ちゃんと客席に向けて可愛くポーズをとってあげることを忘れない吉瀬真珠や北美梨寧。安杜羽加に食べさせてあげる律月ひかるという一面も見られたり、藤谷美海はなぜかそうめんを流す側にも回っていたり。みんなそれぞれに、イベント中のお食事を楽しんでいた。

「いぎなり魔曲」に乗って流しそうめんセットが撤収されての後半戦は、「私たちの8年目の記念日だね。もう8年になるんだね。ずっと一緒にいようね」と律月ひかるが瞳孔を開きっぱなしで語りかける狂気的な「あなたは」に、感謝の気持ちを歌った「sister」。そして「負けないうた」と続いた。いずれの曲も現状に満足することなく、もっと高みを、もっと大きな場所を目指して頑張り続けるという想いが込められた楽曲。それは、結成日となった8月9日の深夜に急遽始まった葉月結菜のインスタライブの内容にもつながる。

いろんなものと戦いながら、いろんなものと折り合いをつけながら活動しているのは昔から変わることなく、むしろ今も現在進行形。だからこそ、グループが8年も続いたのは奇跡だとも言えるし、このメンバーとスタッフだったから続いたとも言える。そして、ここからはもっと先へ。まだ見たことがない景色をみんなで見るために。今日も彼女たちは、そんな想いをひとりひとりが抱きながら、力のかぎり歌いつないでいく。

CREDIT

取材・写真・文:Yosuke TSUJI


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