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UPDATE|2023/09/10

結成30周年、五十路目前のCOWCOWが見つけるこの先「目的は継続すること」

COWCOW 撮影/西邑泰和



多田 TikTokは、水が合った、という感じですね。オリジナルの音源を作ってそれをみんなにまねしてもらう、という方向で最初からやってます。わりと一気にフォロワーが60万人くらいになり、そこで一回頭打ちになって、今度は「海外向けにやろう」と。過去にインドネシアであたりまえ体操がちょっと当たったというのもありましたしね。そしたらそこからまた120万人まで伸びました。

僕らは「M-1」の出場資格が無くなったときに、「東京に来たからには、何でもやらなあかんやろ」という風に意識が変わったんですよ。関西にいたときは「漫才をきちんとやっていれば」ってイメージがありましたけど、東京に来たからにはモノマネもギャグも何でもやる、と。その考えがいまだに癖になってる気がします。中には全然ダメだったものもありましたけど、それでも何かが水に合ってるとわかったら、やり続けたほうがいいんじゃないかと思ってます。

善し 最近やったら「千鳥のクセスゴ!」(フジテレビ系)とかね。ああいう尺の短い無観客ネタというか。かつては「あらびき団」(TBS系)なんかもにも、出させてもらってましたけど、ああいう一般的じゃない見せ方のネタ番組に対する順応性なんかは、知らない間に身についていたかもしれません。

多田 なにか話を頂いた時に、「それはないわ」とか「できないです」って言いたくない、という気持ちはありますね。できるだけやりたい。コンビで出たらなんとかなるやろな、って。そこでいい結果を出したい欲が未だにあるし、そういう「常にウケたい」という気持ちも、単独ライブを毎年やり続けるから、なくならないのかもとは思いますね。

30周年ライブツアーは、COWCOWにとって終点ではなく通過点、あるいは今後も続くルーティンみたいなものなのかもしれないが、それでは本人たちは今後、どのような未来をイメージしているのか。

多田 僕は、単独ライブの日数を増やしたい、というのがありますね。今回、4公演やらせてもらうんですけど、逆に言うと4日しかない。普段の寄席で笑ってもらう気持ちよさも当然ありますけど、僕たちだけを見に来てくれるお客さんの前でネタをやる、というのが一番楽しいので。よく言うんですけど、寄席のネタっていうのは、芸人にとってシングル曲なんですよ。それが自分たちの単独ではアルバム曲もできる。1時間半から2時間の間、自分たちだけでお客さんを楽しませられる、という快感に勝るものはないと思っています。またそのアルバムからシングル曲が出たり、シングルを聞いてくれたお客さんがアルバムを聞きに来てくれたり。そういう相乗効果を生みたいですしね。だから、35周年の時はもっと、1カ月公演くらいやりたいです。

善し 30周年を終えた後…そうですね、ここがゴールという感覚は正直ないです。ただこれからも継続に向かって頑張らなあかんな、というか。今回みたいな周年記念は今後も訪れるんですけど、ただやっぱり今後も目的は継続すること。吉本の師匠方、大先輩方が舞台でネタをやってるのを見てても、やっぱり継続だな、と。舞台でウケなくなったらゴールでいいと思うんですよ。そうならないために、この毎年のライブが僕らの糧になってるのかな、と思いますね。

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