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UPDATE|2023/12/21

『いちばんすきな花』村瀬健P、サブスク時代テレビの可能性「地上波ドラマはまだまだ面白いことができる」

『いちばんすきな花』(フジテレビ系)



「最初にKADOKAWAさんからお話が来たとき、僕のような裏方が何かを語るのは違うんじゃないかと思っていました。ただ、オファー内容がビジネス本だったんですよね。この業界でたくさんの人と出会い、自分なりに真剣な気持ちでやってきたから今日があると思ったとき、自分がやってきたことで後輩たちに伝えられるものがあるかもしれないと思いました。

ドラマの仕事って本当に大変なんですよね。だから、苦しんでいたり、悩んでいたりする仲間たちにとって少しでも役に立つことが伝えられたなら、僕の生きてきた50年にも意味があるのかなと思って。それで書いてみようと思いました」

自身の考え方から仕事術までを記した書籍『巻き込む力がヒットを作る "想い"で動かす仕事術』。村瀬氏がここまで赤裸々に明かせたのはテレビ業界全体を盛り上げようという想いもあった。

「今、Netflixとかアマゾン・プライムビデオとか黒船が来ていて、テレビ業界の人材がどんどん向こうへ行っているじゃないですか。たくさんの後輩や仲間が行ってしまう中、僕はテレビってまだまだ面白いことができるし、地上波ドラマもまだまだできると思っている。

テレビ業界の中にいる1人として本を書かせていただけるという機会をいただけたので、若いテレビマンにはこの本を読んでもらって、どんどん面白いものを作ってもらって、僕を引退に追い込んでくれという気持ちもありますね(笑)」

もちろん、書籍はテレビ業界に限らず、社会人の多くの人々にとって参考になる内容が含まれている。

「プロデューサーに限らず、仕事って何だって大変じゃないですか。仕事に限らず、学校だって、バイトだって、どんな場所でも苦しい思いをしながら頑張ってる人しかいないと思うんです。そういうすべての人たちにとって、勇気の出る本になればという想いで書きました。

クリエイティブのアイデアについてもたくさんヒントを散りばめたつもりですが、むしろ、クリエイティブが苦手な人や企画が通らなくて悩んでる人、それに若い人の気持ちがわからない上司にも読んでほしい。僕が書いたものから何かしらのヒントを得てもらえたら嬉しいけど、それよりも、こんな僕でもこれだけのことができたという事実から勇気をもらえるはずだと思ってます。

『この本に書かれていることを少しでもやってみよう』と思ってくれたら、本当に嬉しいですね」

さらに、村瀬氏はドラマファンに向けても刺さることを願った。

「僕のドラマを楽しんでくれた方、そこに出演している俳優さんのファンの方がこの本を読んで、『こういう想いでドラマを作っているんだな』って感じてもらうことで、ドラマや映画を見るときの感覚が変わってくれたらいいですね。きっと、また違う楽しみ方ができるんじゃないかと思っています。テレビ業界にとっても、エンタメのファンが増えてくれるのは最高にうれしいことですから」
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まっつ


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