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UPDATE|2024/01/13

血のつながりだけが全てではない、朝ドラ『ブギウギ』で描かれる多種多様な”家族”の形

スズ子(左)とツヤ(右)。『ブギウギ』第39回より 写真◎NHK

現在放送中のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』(総合・月曜~土曜8時ほか)。物語は第15週を終え、幼かった鈴子もすっかり大人の”スズ子”へと成長した。今後に注目が集まる中、今回は『ブギウギ』に登場してきた”家族”にフォーカス。スズ子がこれからどんな家族を作るのか想像を巡らしながら、物語の中で描かれた様々な家族の形を振り返ってみる。

【関連写真】病床のツヤ(水川あさみ)とスズ子、ほか『ブギウギ』39回場面カット【5点】

まずは、主人公・スズ子の家族を見てみよう。花田家の長女として父、母、弟と共に育ったスズ子。だが、両親の実家・香川で自分は花田家の子ではないと知らされる。生みの親・キヌ(中越典子)は既に新たな家庭を築いており、複雑そうなスズ子の表情を覚えている視聴者も多いだろう。『ブギウギ』では、主人公であるスズ子がいわゆる”普通”ではないと捉えられがちな環境で立派に育ち、成長している姿が描かれている。それが、すなわち「血のつながりは家族の絆に影響しない」ことの証明となっているのだ。

そしてスズ子が自分の生い立ちを知るずっと前から、自身の生い立ちに悩んでいたのが親友・タイ子(清水胡桃/藤間爽子)だ。タイ子は芸者である母の妾の子として生まれ、そのことをたびたび同級生にからかわれていた。のちにタイ子は自分自身も芸者となり、妊娠を報告。「スズちゃんとこみたいな、賑やかな家庭を作りたいわ」と話していた。だが、子どもの父親と籍を入れているのかどうかは明らかになっておらず、タイ子が理想の家庭を作れているのか、少し心配になる点である。

長らく出生も本名も不明だった謎の男・ゴンベエ(宇野祥平)は、第40回でようやく正体が明らかに。はな湯を訪ねてきた光子(本上まなみ)から、両親を亡くし、若旦那として呉服屋を経営するも借金を抱えていたことが語られたのだ。ゴンベエ自身は記憶をなくしたままだが、光子と結婚してはな湯を継ぐことを決断。”はな湯”という一つの大きな家族を背負うことになった。

また、第53回ではな湯の常連客・アホのおっちゃん(岡部たかし)とアサ(楠見薫)が結婚したことは記憶に新しいだろう。まさかこのタイミングでこの二人が?と驚いたが、「何歳になっても家族を作ることはできる」というメッセージが込められていたように思える。

USKに入団したスズ子は、ここでも様々な家族の形を知ることになる。同期であるリリー白川(清水くるみ)は自他共に認めるお金持ち。だが、父親にUSKでの活動を反対されていることに悩んでいた。反対に、同じく同期の桜庭和希(片山友希)は家の仕事を手伝いながら稽古に参加する日々。一時は、USKを辞めることも視野に入れるまでに追い詰められていた。

そして、USKの先輩・大和礼子(蒼井優)については、親と縁を切りUSKに入団した経緯が描かれた。ストライキ中、劇団員の家族が山寺に訪れたときに一人寂しげな表情を見せていたのが印象的だ。退団後は、ピアニスト・股野(森永悠希)と結婚し子どもを授かったが、その後すぐに病死してしまう。礼子がどんな家族の形を思い描いていたのか気になるが、礼子の思いの分も、股野がアタフタしながら愛を込めて子育てをしているに違いない。

AUTHOR

音月 りお


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