井上 ひるがえって、今の野党の攻め方はどうですか?
小野寺 こんなことを言うと怒られるかもしれませんが、自分たちのときはかなり厳しくやっていたな、と。次々と大臣が代わっていましたし、自民党は強力な野党だったと思います。
井上 今年7月に行われた参院選。私は全国あちこちを取材して、特に広島選挙区に注目していました。
小野寺 本当に政治がお好きなんですね。
井上 大好きです! 小野寺さんの属する宏池会の現職議員である溝手顕正さんが出馬しているところに、官邸主導という形で河井案里さんが擁立されました。改選2議席を自民党が独占できればよかったのかもしれませんが、結局、溝手さんが落選。宏池会の方からしたら思うところがあるのでは?
小野寺 答えにくいところを聞いてきますね(笑)。まず、最終的に県民が判断する選挙ですからね。県民の皆さんがそう判断されたんだということだと受け止めています。
井上 選挙期間中、小野寺さんは溝手さんの応援に入られましたよね。
小野寺 はい、入りました。宏池会の先輩ですから。
井上 そのときの地元の方の反応はどうでしたか?
小野寺 やはり名前の通っている実績のあるベテランですから、陣営には安心をされている方もいたと思います。ただ、私は宮城県の県連会長のとき、逆の形で若手を出した経験があったので、危機感を抱いていました。
井上 広島選挙区のことも踏まえて、前回の参院選の宏池会としての評価は?
小野寺 確かに、私は政策集団の宏池会に属しています。ただ、私もそうなんですが、最終的にすべての議員は有権者の方の判断を受けます。よく言われる通り、政治家は誰に選んでもらっているか。派閥の会長に選んでもらっているわけではありません。総理大臣にも選んでもらっているわけでもありません。選んでくれるのは、有権者、地元の有権者です。ですから、誰を向いて仕事をするかと言えば、地元の有権者の皆さんであり、国会議員として国のためになる仕事がしたい。
井上 派閥は関係ない?