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UPDATE|2020/02/09

丸川珠代・元 東京オリパラ担当大臣「東京だけではない、日本のオリンピックにするために」

左から井上咲楽、丸川珠代 撮影/松山勇樹



丸川 たとえば、イギリス。ロンドンオリンピックの直前になって警備員が1000人単位で足りないことが発覚。とにかくかき集めたものの、どうしても足りずに、女王陛下の護衛をしていらっしゃる部隊にオリンピックのVIP警備に回っていただいたと伺いました。東京で同じことが起きるとは思っていませんが、「あ、ここの数値、ゼロを1桁間違えている!」なんて夢を見てしまうくらい心配は尽きません。

井上 丸川さんは、元東京オリンピック・パラリンピック担当大臣ですもんね。

丸川 今も組織委員会の理事ですし、オリンピック・パラリンピックに対して強く責任を感じています。暑さ対策や交通問題。特に湾岸地域は大井埠頭、青海埠頭と大きなコンテナターミナルがあって、物流の大動脈です。ところが、晴海の選手村から羽田空港、あるいは豊洲にかけて選手、関係者の移動ルートが重なります。都も新たな道路を作りましたし、国もトンネルを作るなど支援をしました。それでも本番の運用には民間の皆さんの協力は不可欠。そういった場面にきちんと対応できる方が都知事であって欲しい。ですから、今度の都知事選は本当に難しい選択で、私たちがどういう形で選挙を戦うのかはまだもう少し様子を見ないと分からないですね。

井上 だからこその丸川さんの都知事選出馬は?

丸川 報道は目にしていますけど、まったく考えておりません(笑)。私は東京都全体を選挙区とする東京都選出の国会議員ですから、オリパラ後も強く意識しています。前回の東京オリンピックの後は、不況がきました。今回はそうならないため、どうしたらいいのか。東京はオリパラ後に向けてたくさんの再開発プロジェクトが待機しています。景気が良ければ順番に実現していき、街の魅力もどんどん高まって、ニューヨーク、パリ、ロンドンといった都市と戦える東京になっていくはずです。しかし、景気が落ち込んでしまうと再開発プロジェクトの中には止まってしまう案件も出るかもしれません。流れを途絶えさせないための対策を進めていくこと。これも大切な仕事の1つだと思っています。

井上 継続が大事なんですね。

丸川 もちろん、東京だけでなく全国も。オリパラ期間も含め、日本全国のいい映像をどれだけ海外に発信できるかが大事だなと思っています。おいでになった方がゴールデンルート(観光客がよく行くルート)以外のところにどれだけ足を運んでくださるかな、と。環境省もSNSを作るとき、日本語を英語に翻訳するのではなく、ネイティブの方に最初から作文をしてもらうというやり方を取りました。多言語化もそのレベルまで進めてきているんですね。その財源は皆さんが出国するときに払ってくださっている出国税です。各地域の国立公園、空港、美術館、博物館も海外からのお客様が来やすいような環境に変えていきたいなと思っています。

CREDIT

取材・文/佐口賢作 撮影/松山勇樹


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