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UPDATE|2020/04/02

処女エッセイが話題のAV女優・戸田真琴が語るトラウマ「絶望しないことが希望なんです」

戸田真琴(撮影:松山勇樹)


──分析することでトラウマにはならないと。

戸田 もしくは自分と相手にボタンの掛け違いがあったのかもしれないとか、視点を変えて考えてみたりもします。私は両親と折り合いのつかないことが多かったのですが、そもそもが人間として違うタイプ同士だったのだと解ると楽になりました。親子であっても親しい人であってもボタンの掛け違いが起きるのが人生だから、どこが掛け違っているんだろう、この掛け違いを直すのは話し合いでは無理だから距離を取って自立しようとか、様々な選択肢を考えてみる。そういう風にやっていくと、どこが自分にとって居心地がいいか、という判断がだんだんついていくんです。自分と相手の分析をしないと、いつまでも辛いまま。なかなか簡単にはできないことでもありますし、私も結局AV女優になって自分と環境をがらりと変えるという極端な方法しか取れなかったんですけどね。

──学生時代からそういう考え方だったんですか?

戸田 学生時代、自分は周りと比べて「変」な側の人間なんだと思わされていました。本音を言うならば、「世の中にとって私は変だけど、私にとって私は普通」だと思っていて、それはどちらも事実なのだと思います。みんなと一緒になりたい気持ちはすごくありました。本気で一緒になりたいと思うならば、頑張れば擬態することだって可能だと思うんです。世に馴染めない特性を持っている人でも、無理矢理修正して、世の中に合わせることはできます。実際、私も自分にとっての普通と、みんなにとっての普通を使い分けてきました。

──『あなたの孤独は美しい』には学生時代のいじめの話も出てきます。

戸田 いじめというのは、自分がどこに属しているのか分かる瞬間です。私はいじめをする人に、「やめな」って一生懸命説明をするタイプでした。だからこそ、いじめる側といじめられる側がいる状況に無力感を感じていました。どんな理由があっても、いじめはやる側が悪いです。せめて自分がターゲットになれればやり返してやるのに、と思っていじめをする人たちに積極的に口答えしたりしていましたが、卑怯なことに私のように意見をはっきりいう人じゃなくてそうではない人を狙うんですよね。たぶん、自分の意思をはっきりと持っていることがいじめる側にとっては脅威だったのだと思います。
AUTHOR

猪口 貴裕


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