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UPDATE|2021/01/25

井上咲楽が岸田文雄元外務相に聞く「トランプ政権からバイデン政権へ、米国はどう変わりますか?」

左から岸田文雄、井上咲楽 撮影/松山勇樹



岸田 ケリーさんは国務長官時代にパリ協定(2015年にフランスのパリで開催された第21回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)において、2020年以降の温室効果ガス排出削減等のために調印された新たな国際的な枠組み。世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して、2℃より充分低く抑え、1.5℃に抑える努力を追求することを目的としている)の取りまとめに尽力したように、民主党の人たちは環境問題にはかなり強い関心を持っています。トランプ政権はパリ協定から離脱しましたが、バイデン政権になればアメリカは復帰するでしょう。そして、より環境問題に力を入れていくはずです。その際、日本にもさまざまな協力の要請があると思います。

井上 それもトランプ政権からバイデン政権になることで起きる変化ですね。

岸田 トランプさんは盛んに「ディール」という言葉を使い、貿易においてアメリカが儲かるかどうかが政策の最大のものさしになっていました。でも、バイデンさんは、環境やエネルギー、国際平和など地球全体の課題についても大きな関心を示しています。再び、アメリカがそういった課題において世界をリードする姿勢を見せてくるはずです。

井上 オバマ政権に近いイメージですか?

岸田 そうですね。あとはアメリカと中国の関係がどうなるのか。今は厳しく対立していますけど、これがどう変化するかは日本にとっても重大な問題です。

井上 確かに!

岸田 トランプさんはアメリカが儲かるかどうかが大事だから、経済面で中国に厳しく向き合っていましたよね。バイデンさんは環境、人権問題について厳しく言うと思います。特に香港、ウイグルの人権問題は見過ごさず注文をつけるはずです。トランプさんは人権問題への関心があまりなかったですから、米中の対立の中身もまた変化してくるんじゃないでしょうか。

(取材・文/佐口賢作)

▽井上咲楽(いのうえ・さくら)
1999年10月2日生まれ、栃木県出身。A型。『アッコにおまかせ!』(TBS)、『おはスタ』(テレビ東京)、『サイエンスZERO』(NHK Eテレ)などに出演中。
Twitter:@bling2sakura

▽岸田文雄(きしだ・ふみお)
1957年7月29日生まれ。自由民主党所属衆議院議員。1993年の初当選以来、9回連続当選。安倍政権では戦後最長となる4年8カ月の間、外務大臣を務めた。第9代宏池会会長。
CREDIT

取材・文/佐口賢作 撮影/松山勇樹


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