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UPDATE|2021/02/26

『ザ・ノンフィクション』神回・アイドルレスラー中野たむが武道館で“女の命”をかける理由

中野たむ 写真提供/スターダム



アイドルとして夢を叶えることができなかったからこそ、プロレスラーとして、今度こそ、ファンと一緒に笑顔で夢に到達したい。

だからこそ、中野たむは日本武道館でのタイトルマッチにこだわった。

ターゲットはジュリアが保持する「白いベルト」ことワンダー・オブ・スターダム王座。ジュリアは昨年の女子プロレス大賞受賞者で、まさにスターダムの中心人物。しかも、昨年、中野たむに連勝しているので、ここで再挑戦を受けても彼女にはなんの得もない。

そこで浮上したのが「髪切りデスマッチ」という特殊ルールでの激突。そもそもはリング上での「私はプロレスに命を懸けているんだ!」という口論がきっかけで、ならば「女の命」である髪の毛を賭けよう、ということになった。

過去におこなわれてきた髪切りデスマッチは血で血を洗う抗争に決着をつけるための最終手段として敢行されるケースが多かったので、今回のルール決定にも『なんで令和の時代に昭和チックなことをやるのか?』という批判の声もあがったが、今回は昔の髪切りとはプロセスもニュアンスもまるで違うのだ。

ジュリアは自分の価値、ベルトの価値を守るために、あえて自分の髪の毛を賭けた。じつにプロフェッショナルな決断だ。圧倒的なビジュアルで同性からも憧れられる存在でもあるジュリアにとっても、ここで丸坊主にされたらダメージはあまりにも大きい。負けたらベルトまで失うわけで、じつはリスクは中野たむよりも大きい。

そして、中野たむはファンとの夢を叶えるために、その条件を呑んだ。

AUTHOR

小島 和宏


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