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UPDATE|2021/03/08

批判されたとしても…俳優・萩原聖人が麻雀プロリーグ「Mリーグ」参戦を選んだワケ

撮影/西邑泰和


――萩原さんは麻雀のどこにそこまで惹かれるのでしょうか。

萩原 これは僕個人の意見として聞いてほしいんですが、麻雀の本質はエンターテイメントで、競技にはなり得ないと思ってる部分があって。公平性がないゲームなんです。単純に個人の力量を比べるなら、ボクシングで選手の体重をそろえるようにスタート位置が同じじゃなきゃいけない。それに当たり牌が1枚しかないような手が、5枚も6枚もあるような手に勝つこともあって、確率のようで確率でもない。160cmの小さな選手が2m200kgの選手に勝つこともあるというか。「それって競技じゃなくてエンタメでしょ?そのほうが絶対面白いでしょ?」って思うんです。

――なるほど。Mリーグは初年度からの盛り上がりを受けて「この熱狂を外へ」、つまりまだ麻雀の面白さを知らない人への波及をスローガンに掲げていますが、萩原さんの思う麻雀のエンタメ性は「外」に届き得るものなのでしょうか。

萩原 そうですね……誤解を恐れずに言えば、まだ時間がかかるものだと思います。3年くらいで、そんなに簡単に麻雀が持っていたマイナスイメージが変わるかというと、やっぱり難しい。今も選手個人が考えてやってることはいろいろありますけど、果たしてそれは「外」に届いているのか。チームのサポーターは喜んでも、一歩引いてみたらそれ以外の人には届いていないんじゃないか。そういうこともきっとあると思います。それがエンタメ業界でずっと生きてきた僕の偽らざる本音ですね。当然、自分がやってることも含めてですよ。

――一過性の盛り上がりで終わらせないために、それぞれが模索する必要がある。

萩原 選手のことだけじゃなく試合のルールに関して、例えば長考(どの牌を切るか長い時間考えること)にしても、現行で抑止力になるルールはありますがその罰則が出たことが無くて、実際に試合終了が23時をまわったりもする。また、新しいレギュレーションで、2年連続でセミファイナル進出できなければそのチームは選手をひとり変えるルールもできましたけど、これは劇薬過ぎるんじゃないか、とか。

もっとブラッシュアップして、健全に盛り上がるやり方をみんなで考えていかなきゃいけないでしょうね。「Mリーグ」批判と取られると困るし、今の盛り上がりに水を差すつもりも全然ありません。けど3年間選手としてやって来て、出しゃばらない程度にですけど、そろそろリーグ全体のためにやれることを自ら発信してもいいのかもしれない。そのうえで、僕としては必至に、麻雀のゲームとしてのエンタメ性と、勝ち負け以上の面白さを伝えるために試合に臨んでいきたいと思います。

【前編】大盛況の麻雀Mリーグで不振の萩原聖人「俳優の仕事ではアンチコメントへの免疫が全くなかった」はこちらから

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