――我々が知らないだけで、その動物ごとに特徴があるんですね。
はら そうなんですよ(力説)! たとえば鴨は、メスが性病に罹っていないオス鴨を選ぶらしいですよ。くちばしの色で判断するそうです。あと鴨の生殖行動はものすごく素早く行われるんでメスが逃げられないこともあるんですけど、その場合メス鴨は体内で性器の形を変えて、オスの精子を受精しないように行き止まりの方に誘導することができるらしいんですよ!
性器の中がインカ帝国の宮殿ぐらい迷路状になってるという(笑)。賢くないですか!? ……載せられます、これ?
――生物学的な話ですし、面白いので大丈夫だと思います(笑)。
はら 最近は哺乳類とかだけじゃなくて、無脊椎動物にまで興味の範囲が広がってるんですよ(笑)。例えば、パロロワームっていうミミズみたいな虫がいて、そいつは年に1回、決まった日にしか交尾しないんです。
その日に乗り遅れたら死んでしまうしかないっていう。そのときは海がパロロワームでいっぱいになるんで、現地の人は網を持って待ち構えて、集まったところを一気に捕まえて、焼いたり揚げたりして食べるんですって。栄養分が豊富らしいんです。めっちゃ面白くないですか? で、同時にめっちゃ切ない(笑)。私が惹かれるのはこういうところで。
――どういうことでしょう?
はら なんか、動物の交尾って生きるか死ぬかの話なんですよ。そのために生きてきた、みたいなところがけっこうあって。恋愛ドラマよりも感動するし、泣けてきちゃう。想像力が豊かなんでしょうね。生態を調べて情報を集めて、それをインプットしてから交尾を見るとストーリー性が生まれるんです。
行為を、ただ快楽のためだけだと考えている人間は甘いぞ、と。いかに子孫を残していくか、っていう戦いなんだということを伝えていかなきゃいけないですね……何の話してるんでしょうね(笑)。
――きっと今後の自分の恋愛に、何か役立てることはできると思いますよ(笑)。
はら それが、最近は悶々とし過ぎた性欲が、こういう動物の情報や生態を知ることによって「自分はなんていやらしい気持ちでいたんだ! 動物は命がけなんだから、私と比べちゃいけない!!」って、欲が治まっていくようになってきて(笑)。人間として落ち着いて、トゲもなくなったと思います。だから今は、M-1に集中するだけですね(笑)。