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UPDATE|2019/03/19

井上咲楽が下村博文衆議院議員に聞く「憲法改正ってホントにできるんですか?」

下村博文 井上咲楽



下村 好きだけど、最近はなかなか読む時間が取れないのが悩みでね。

井上 本が好きになったきっかけが何かあるんですか?

下村 生い立ちの話になりますが、私が9歳のときに父が交通事故で亡くなったんですよ。当時、母が32歳で、私が9歳。2人の弟が5歳と1歳でね。群馬の山の中で暮らしていたんだけど、母は子どもが小さいし、働いていなかった。そもそも専業主婦が当たり前の時代ですからね。

井上 そうですよね。

下村 でも、父が亡くなり、食べていけない。それで仕事に出たわけだけど、生活は苦しかったんだよね。母子家庭の貧困家庭。それで、私が小4のときかな。風邪で寝込んだことがあってね。そのとき母が「何が欲しい?」と聞いてくれたんだけど、家が貧しいのは分かっていたから、私は何も言えなかったんです。

井上 こらえつつ「いらない」と。

下村 うん。それでも母が何か買ってきてくれるというから、「本が欲しい」と伝えたの。そしたら、偉人伝を買ってきてくれた。

井上 偉人伝?

下村 野口英世やジョージ・ワシントンなど、世界の10人くらいの偉人の子どもの頃の伝記でね。それを読みながら、苦労しているのは自分だけじゃない。偉人の人たちも子どもの頃に大変な思いをしたから将来があったんだなと思ったんですね。

井上 その偉人伝がきっかけに?

下村 そう。その後に小学校の図書館でそれぞれの人の生涯を描いた1冊の偉人伝を読み始めたら、世界がぐんと広がっていったんだよね。みんなこんな生き方をして、人生を過ごしていたんだな、と。結局、図書館にあった100冊の偉人伝はすぐに読み終わってね。小さな小学校だけど、図書館の本の3分の1、1000冊くらいは読んだんじゃないかな。

井上 小学生で、そんなにですか!

下村 あの頃の一番の楽しみは土曜日の放課後にお弁当を自分で作って、借りてきた本を持って山に行くことだった。お気に入りの場所で、暗くなるまで本を読んでね。時間がいっぱいあって幸せな時代でしたよ。

CREDIT

取材・文/佐口賢作 撮影/松山勇樹


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