FOLLOW US

UPDATE|2023/02/12

18年ぶりの主演・窪塚洋介が語る「転落後、俺をめちゃくちゃ立ち直らせてくれた」憧れの人物

撮影/山田健史



最後に窪塚に、これまでに起きた印象的な“偶然”を聞いてみた。

「俺、子どもの頃から三代目魚武濱田成夫さんという詩人がすごい好きだったんですよ。小学校の時に本屋でパッと手に取った詩集が『君が前の彼氏としたキスの回数なんて俺が3日でぬいてやるぜ』っていうタイトルで、その言葉の強さにめっちゃ憧れて、本を買ったんです。開いたら中の言葉も本当に輝いていて、『こういう大人になれたら面白いし、格好良いし、良い意味でバカだな』と思って、そこから追うようになって」。

転落事故から数年。窪塚は憧れの三代目魚武濱田成夫と運命的な出会いを果たす。

「俺がお世話になっていたMEDICOM TOYという会社と三代目に縁があって、たまたま会えることになったんです。『うわ、三代目おる!』ってなって」。

当時、事故の原因を様々噂されていた窪塚は、「俺、その頃、聞かれてもいないのに『あれは自殺じゃなくて、本当に落っこちただけなんですよ』って言い訳ばかりして生きていたんです」と振り返る。

「けど、三代目は開口一番『自分えぇよな〜』って言うんですよ。それで『何が羨ましいんですか、まぁまぁ大変ですよ』って言ったら、『だって自分、漫画の1ページ目やん、そのシーン』って。『自分の人生が伝記になったとして、1ページ目がマンションから落っこちてる途中の空中の絵やったら、めっちゃおもろいやん。ほんま羨ましいわ』って本気で言うんです」。

憧れの人物からの思いがけない言葉は、「雷に打たれたみたいな衝撃」だったという。

「『俺が憧れた三代目がマジで俺のことを羨ましがってる!』って思ったんですよね。MEDICOM TOYの人が俺を元気づけたくて会わせてくれたのか、本当に偶然なのかはわからないんだけど、とにかくガキの頃から好きだった詩人が、俺をめちゃくちゃ立ち直らせてくれたんです。背中を押してくれたのがその人だったっていうのが、俺にとってはすごいシンクロニシティだったんですよね」

【あわせて読む】窪塚洋介に聞く人間関係論「若い頃は早く幸せになりたいと思って遠回りしていた」
AUTHOR

山田 健史


RECOMMENDED おすすめの記事