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UPDATE|2023/08/02

ゴールデンボンバー 鬼龍院翔が語る続ける秘訣「仕事で関わっていない異性をSNSでフォローするな」

ゴールデンボンバー 撮影/菅沼剛弘

格差・貧困問題に取り組み、メディアで積極的に発言をしている作家・雨宮処凛が、バンドやアイドルなどを愛でたり応援したりする“推し活”について深堀りするコラムシリーズ。3回目のゲストは、ファンから“推される”側の立場であるゴールデンボンバーの鬼龍院翔。バンドマンなどステージに立つ人へ向けた実用書『超! 簡単なステージ論 舞台に上がるすべての人が使える72の大ワザ/小ワザ/反則ワザ』(リットーミュージック)を出版し話題になっているが、実は本書はバンドマンならずとも、あらゆる仕事や人間関係に応用可能な優れた1冊だった。本書に込めた思いについて話を聞いた。文・雨宮処凛(前後編の後編)

【写真】ゴールデンボンバーの圧巻のライブショット【15点】

【前編はこちら】ゴールデンボンバー・鬼龍院翔が語るステージ論「音楽性よりエンタメに振り切ったほうが夢破れない」

バンド活動において、観客が多くなればなるほど様々なトラブルが発生する。暴言などの迷惑行為も出てくるが、鬼龍院氏は「一切反応してはいけない」と説いている。

「本当に難しい話なんですが、これは完全に数の問題で、人数が増えると変わった行動をしてしまう方も出てくる。わかりやすい例で言うと、『〇〇のファンってマナー悪い人多いよね』って言われたりしますが、それって大抵ファンの人数が多いグループの話なんです。パーセンテージの問題だと思うと、暴言を吐く人がいても、『今日はお客さんが結構入ってるからな』って傷つかないようになったというか、冷静に対処できる。理系の脳みそで処理しています。僕、得意教科は理科と数学でしたから(笑)」

本書にはファンサービスの持続可能性についても触れられている。例えばファンメールを返していたのにある時期から返せなくなったら不具合がないのかなど。駆け出しの頃はどんなサービスでもやってしまいがちだが、それが続けられるかどうかも重要だ。

「例えばCD発売時の握手会も、いずれどこかでやめなればならないというのは早い時期から思ってました。例えば3年間やっていたら、お客さんにとってはそれが当たり前になるのでやめた時、不満に感じる。あるツアーではアンコールが3回あったのに、1回しかなかったら損した気分になる。ファンメールの返信も同じで、ずっと続けるのは自分たちも大変だし、やめた時にファンは大きな不満を感じる。あまりにも過剰なサービスっていうのは諸刃の剣なので、持続可能なサービスを最初から考えるのが僕のスタンスですね」

そうして本書には、掛け軸にして飾っておきたいくらいの名言がある。それは、「仕事で関わっていない異性をSNSでフォローするな」。

「これ、表紙にしたいくらいの言葉だったんですけど、反応は多いですね。僕、根暗なんですけど、欲深いのでみんなが友達を作ってるのが羨ましくてしょうがなくて、誰かが呼んでくれる誕生日パーティーとかに喜んで行くんですよ(笑)。人見知りのくせに。そこで人間観察をしてしまうんですが、ステージに立つ仕事をしている方々も、その場でSNSをフォローしあってるんです。そういうのを見ると、『あ、この人は売れる気がないんだ』という結論に達するわけです」

なぜなら、ファンは自分の推しが誰をフォローしているかまで必ず見ているから。

「不信感を募らせることになりますよね。当たり前すぎるけど、でも結構やってる人が多いんです。それくらい、分別つけてやらなきゃいいのに⋯⋯」

ドキっとした人は、今すぐなんとかしたほうがいいだろう。


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