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UPDATE|2023/10/23

有村昆がお悩みを映画で解決、40代母「娘が学校でいじめられているかも」

有村昆 撮影:松山勇樹



そしてもう一本は、候補が2つあって、どっちかで迷っているんですけど…。1つは『コブラ会』です。ネットフリックスで配信されているドラマシリーズで、現在は第5シーズンまで製作されています。

これは1984年に公開された映画『ベスト・キッド』の30年後を描いた作品なんですね。

『ベスト・キッド』は、いじめられっ子だったダニエル少年がカラテに出会い、修行に励みます。対するいじめっ子のジョニーはコブラ会というカラテ教室に所属しており、勝つためならなんでもやるという流儀。ダニエルとジョニーはカラテ選手権の決勝で対決し、ダニエルが優勝を果たすというストーリーです。

『コブラ会』は、それから30年後を描きます。負けたジョニーは落ちぶれて、燻った人生を歩んでいる。対するダニエルは、高級車のディーラーになっていて、成功している。

そしてジョニーは、いじめられていたミゲルという少年にカラテを教えたことをキッカケに「コブラ会」を再興して、正しい道を歩もうとしていくんです。

このジョニーとダニエルの、時と共に変化した関係性というのが興味深いんですよね。いじめというのは深刻で、今すぐなんとかしなければいけない問題ですが、長い目で見ると立場が変わるということは現実にもよくあることだと思います。

そして、迷っているもう1本は『湯を沸かすほどの熱い愛』という作品です。

宮沢りえさんが演じる「幸野双葉」は、末期ガンで余命宣告を受けます。そこで、生きている内にやるべき事をやろうと決意します。

双葉には「安澄」という、杉咲花さんが演じる娘がいるんですが、彼女は学校で酷いいじめを受けている。制服を隠されて下着姿で授業を受けたりとか、かなり深刻なんです。

でも双葉は、それでも安澄を毎日学校に行かせるんですよね。 普通だったら「もう学校行かなくていいよ」とか、何か違う手立てを考えるのに、絶対に学校に行かせる。映画の後半で、この母娘に関する、あることが明らかになり、その理由がわかるんですけど、とにかくどんな状況であっても学校に行かせ続けるという方法もあるんだなと、僕もすごい勉強になりました。

やっぱり、一度逃げるとそれがクセになってしまう。 1日でも学校に行かなくなると、次の日はもっと行きづらくなっちゃうというのはあると思うんです。

相談者さんは、引っ越しや転校も考えたようですけど、『湯を沸かすほどの熱い愛』の双葉のように、毅然とした態度で、娘に対して「何があっても学校に行くんだよ」「いじめてくる子たちに言うべきことを言うんだよ」という意思を貫くという方法もあるということを知ってほしいですね。

「いじめ」と、ひとくくりにしちゃいますけど、いろいろ事情があって、解決法も1つじゃない。

『怪物』はもちろん、『コブラ会』、『湯を沸かすほどの熱い愛』も、どの立場で見るかで、話の展開やイメージが変化する。意識して視点を変えることで、いじめの原因や対応法も見えてくるんじゃないでしょうか。

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