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UPDATE|2023/10/14

グラビアで一世風靡・たしろさやかが振り返る芸能人生「胸が大きいのはコンプレックスだった」

たしろさやか 撮影/たむらとも


思うように俳優の仕事が入らない現状を打破しようと、個人的に芝居のレッスンやワークショップに通うようになった。

「ワークショップなどで知り合った監督さんなどからお仕事をいただけるようになって、徐々に俳優の仕事も増えていったんですけど、ふと考えたら、これってマネージャーさんがお仕事を取ってきた訳じゃないなと。その状況に不満を抱くというよりも、実力主義の世界なんだから、それを極めて、自分のやりたいことをやれたらいいなと思うようになったんです。それで30歳になるのを機にホリプロを円満退社して、フリーになり、芸名も田代さやかからたしろさやかにしました」

ホリプロ在籍時に出演した映画で、今の活動に活きている作品がある。

「26歳のときに、鈴木太一監督の『くそガキの告白』(12)という映画にヒロインで出させていただいたんですけど、オファーがあったときは監督名すら聞いたことがありませんでした。監督にとって初の長編映画というのもあって現場での段取りも悪いし、スタッフさんの怒号が飛び交うので居心地も悪い。クライマックスのシーンを撮る最終日も、朝まで台本を書き直すぐらいだったんですけど、完成した映画が素晴らしくて。

思い返してみると、大変な現場ではあったんですけど、みんなに情熱があったからこそ、たくさんの意見を出し合っていたんです。結果的に、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で四冠を受賞して、韓国でも上映されて舞台挨拶にも行って。東日本大震災から間もない時期だったので、みんなで車に乗って被災地に行って、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭の副賞でもらったプロジェクターで『くそガキの告白』を上映しました。そのチームで、プライベートにフットサルを楽しんだりもして。26歳でも、こんな青春があるんだと思い出深かったです」

2023年、鈴木太一監督は12年ぶりに『くそガキの告白』のスタッフと集結し映画を撮影。その映画『みんな笑え』(2024年公開予定)の撮影にはたしろにも声がかかった。

「事務所に所属していた頃は、“ホリプロの田代さやか”だから使ってくれた方も多かったと思います。もちろん肩書きとかネームバリューのおかげで、ありがたい思いをしてきたことも、たくさんあります。でも、たしろさやかとして声をかけていただけるのは、演技面や人間性を買ってくれているのかなと。約10年ぶりに鈴木太一監督の現場に行ったら、『くそガキの告白』でご一緒したキャストやスタッフの方々もいて。人と人との繋がりの大切さを感じました」

【あわせて読む】たしろさやか、ギャラ未払いやコロナ禍…波乱万丈な日々を変えた動画配信
AUTHOR

猪口 貴裕


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