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UPDATE|2023/11/28

『時をかけるな、恋人たち』 廻の20年前へのタイムトラベルが生んだ『ドラえもん』的パラドックス

『時をかけるな、恋人たち』(カンテレ/フジテレビ系)



少女時代の廻は、「ずっと好きでした。大きくなってまた会ったら、けっこんしてください」という可愛らしいラブレターを書いていた。彼女は辻褄を合わせるため、1日前にタイムトラベルして自宅に忍び込み、「けっこん」を「けっきん」(=欠勤)に書き直してしまう。諸星はそのことを覚えていたために、廻と再会したとき「今後ご飯行こうよ。会社を休むから」と発言していたのだ。

とりあえず万事解決にみえる今回の第7話だが、このエピソードには不思議なパラドックスが存在する。廻がアートディレクターになったきっかけは、子供時代に大人の自分と出会ったことだった。だとするなら、本当に彼女がアートディレクターを目指したタイミングはいつだったのだろうか?

これにも、『ドラえもん』で同じようなエピソードがある(藤子・F・不二雄、偉大すぎ!)。のび太とドラえもんは、少年ヨンデーに連載されている漫画「ライオン仮面」に夢中。続きが気になる2人は、作者であるフニャコフニャ夫の自宅に押しかけて、本人から話を聞こうとするのだが、何と彼もこの後のストーリーを思いついていなかった。そこでのび太たちはタイムマシンで未来に飛び、来月号の少年ヨンデーをゲットして「ライオン仮面」を読むことにする。

問題なのは、来月号の「ライオン仮面」をフニャコフニャ夫自身が読んで、その話をまるまるパクってしまうことだ(本人だからパクリではないのだけれど)。となると、当然このような疑問が生まれるーーー「ライオン仮面」の本当の作者は誰なのだろうか?と。始まりも終わりも存在しないパラドックス。『時をかけるな、恋人たち』は、いよいよSFドラマとしていい感じになってきた!

引き続き、第8話以降の<恋の超展開>に超期待であります!

【あわせて読む】『時をかけるな、恋人たち』が伏線回収モードに、40年前へ駆け落ちして出会ったのはまさかの両親
AUTHOR

竹島 ルイ


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