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UPDATE|2019/12/06

AKB48黄金世代と呼ばれて…山内鈴蘭、9期生を語る「痛いことを言ってくれたのも、救ってくれたのも同期だった」

山内鈴蘭 撮影/佐藤佑一


山内「私はこれまでたくさんのチャンスを逃してきました。自分がちゃらんぽらんだったんです。いろんな人に迷惑をかけてきました。このままじゃいけない。素敵な10周年を迎えるために今から頑張ろう。そう決意したのが2年前の8周年公演の頃でした。すると、いつからだろう、『SKE48に来てくれてありがとう』ってファンの方に言われるようになったんです。外のお仕事をする時も、前までは自分のことばかり考えていたけど、今ではSKE48を広めるためだという意識に切り替わりました。SKE48という言葉を必要以上に発するようになりました。そんな気持ちが伝わったんでしょうね。『憧れています』と言ってくれるメンバーも増えてきました。心を入れ替えて、イチから頑張れば伝わるんだなと思いました」

同期に言われた一言で、鈴蘭が忘れられないセリフがもうひとつある。今から4年前に放送された『AKB48 旅少女』という番組でのことだ。2週にわたって9期生が旅をする様子がオンエアされたのだが、島崎からの一言が鈴蘭に突き刺さった。

山内「ロケの最後にぱるるがこう言うんです。『AKB48に入ってきたんだから、AKB48に戻ってきなよ』って。いつかは戻ってきて、一緒に卒業しようよ、という意味でした。私と美奈はSKE48に移籍してすぐのことだったので、この言葉にどう返すかによって、運命が変わると思いました。ぱるるは単純に9期は9期で離れたくないという本音を話してくれたんだと思います。その気持ちはありがたかった。でも、私はもう別の人生を歩きはじめていました。目の前のことをがむしゃらに頑張らないといけない。でも、AKB48があったから今の私があることも間違いではない。どう答えようか……。少し考えてから口を開きました。『移籍したからにはSKE48でやり遂げたいんだ。AKB48に悔いはない。私たちは新しい自分を見つけたいんだよ。だから、背中を押して』って。精いっぱいこう答えたけど、とにかくあの時期の私にとってあの一言は重かったですね……」

ソロプレイヤーだった鈴蘭の人生の分岐点には常に同期が立っていた。人と人との交わりの中で人生は進んでいく。そんな当たり前のことに気づくのは少し遅かったかもしれない。だが、鈴蘭は三歩進んで二歩下がりながら大人へと成長している。そして、そんな成長を彼女に関わるすべての人たちが見ていて、評価するようになった。そんな10年間だった。
AUTHOR

犬飼 華


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