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UPDATE|2020/05/09

東京女子流・庄司芽生が振り返る10年(1)「2013年は自分たちとの葛藤の1年だった」

庄司芽生 撮影/山内洋枝



──中江さんの存在は大きい(笑)。さて、遥か遠い場所だと思っていた場所での活動はどうでした?

庄司 何をやるにしても初めてのことばかりなので、目の前にあることを必死に頑張っていました。最初の壁がデビュー曲『キラリ☆』のレコーディング。ダンス経験はあっても、人前で歌う経験がなく、しかも全然得意ではなかったんですよ。たった1人で狭い空間に入って、ヘッドフォンを付けて、誰もいない中マイクに向かって歌う。その姿や声を他の誰かに見られたり聞かれるという状況がものすごく恥ずかしく、耐えられなくて。ディレクターさんの「歌ってみようか!」の掛け声が聞こえた瞬間、完全に頭真っ白になっちゃって、マイクを前に一言も出せず最後は「ゴメンナサイ!歌えません!!」って謝ったことを覚えています。初ライブに向けて、ちょっとずつ自分の声と向き合いながら歌への意識を変えていく日々でした(笑)。

──なるほど、デビュー間もなくから数々のライブを経験しましたが、その中でも印象深いものは?

庄司 やはり初ライブです。その頃はオリジナル曲が一つもなくて、とにかくカバー曲を12曲ほど覚えたんですよ。それに女子流は最初、正体も明かしていなかったのでお客さんが来てくれるのか? という、色々な不安と戦いながら毎日を過ごしていたんですよ。本番の日、ステージに上がった瞬間「待っていたよ!」という歓声と、目の前に広がる光景に、すごく励まされたんです。このとき、私は女子流を知ってくださる方に良いことを届け続けよう!という気持ちになりました。

──活動当初の女子流さんは、年齢を非公開にしたりとミステリアスな印象を押し出していましたよね。

庄司 そうでしたねぇ。あの頃は特典会になると「○○歳でしょ?」とみなさんが聞いてくるので、その度に「ど、どうしょう!?」って混乱していました(笑)。「小・中学生でしょ?」って聞かれるとちょっと大人っぽくしてみたり、逆に大人ぽく見られたら子どものフリをしたりって自分なりに隠す努力はしていたんですよ。けど、昔の写真を見返すと「どう見ても小・中学生にしか見えないよなぁ~」って(笑)。

AUTHOR

田口 俊輔


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