「気分が沈んでいました。1年ぶりのシングルでHKT48にとっても大事なことだったんです。 それなのに歌を披露することができないのはつらかったし、この曲で記録が途切れてしまったらどうしよう、と考えたら夜も寝られなかったです」(運上弘菜)
記録というのは、デビュー曲からずっと続いているオリコンシングルチャートでの連続1位記録。前作の『意志』まで12作連続で初登場1位をマークしている。これは女性アーティストでは歴代トップの記録で、毎回、自己新記録を更新していくことになっている。
この記録を守るのもセンターの務め。ただ、テレビに出ることもできず、いつもと比べたら圧倒的にプロモーション量も少なくなる。そんな環境下で1位を獲得することが本当にできるのか? たしかに不安になって当然だ。
「だから1位になった、という知らせを聞いてひとまず安心しました。それからはよく眠れるようになりました(笑)。正直、自粛期間中になにをしていたのかあんまり記憶がないんですよね。どうしようか?と考えても仕方がないし、実家(北海道)に帰りたくなって、夜中に家族に電話したりもしましたね……」
センターなのに、孤独。
本当だったら人生が劇的に変化してもおかしくないのに「あまりにも自分に変化がなさすぎて、ちょっと残念だったなって」と運上弘菜は悲しげな表情を浮かべた。
気持ちは大きく変わっていた。
紙媒体の取材日はいつも早めに設定されるので『3-2』のときもコロナの感染拡大が深刻化する前に収録することができた。