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UPDATE|2023/08/19

『最高の教師』が鮮明にする“謝罪の違和感”、「お騒がせして申し訳ありません」は必要か?

土曜ドラマ「最高の教師 1年後、私は生徒に□された」公式サイトより


ちなみに謝罪に関して言及されるシーンは5話だけではない。3話冒頭では教室の黒板に「九条里奈を殺害する」と書かれていたことを受け、職員室で九条は他の教師達に「お騒がせしてしまい申し訳ありません」と頭を下げる。

その後、里奈と鵜久森叶(芦田愛菜)が一緒に昼食をとっている際、その様子を見ていたという鵜久森は「なんで辛い目に遭った人がみんなの前で謝らなきゃいけないのかって」「よくネットとかでも『お騒がせしてすいません』って傷ついている人が謝るのを見て、いつも納得いかなくて」と口にする。

この言葉を聞いたことにより、里奈が3年D組の生徒から“担任変更の嘆願書”を出されたことを教師陣から聞かされた時、「また、お騒がせしてしまい」と謝罪しようとした瞬間に鵜久森の言葉を思い出して、謝罪の意を飲み込む。そして、「申し訳ないことをしてしまったのかは、どうかみなさんにも公平な目で見てもらえるとありがたいです」と発言した。

謝罪を要求する空気感も強く、そのうえ厄介事を避けるために「とりあえず謝っておこう」という気持ちについついなりやすい。そんな中、簡単に謝罪することを思い留まらせてくれるエピソードが続いており、相変わらず『最高の教師 1年後、私は生徒に□された』では潜在化した深刻な違和感を鮮明にしてくれる。6話以降でもどういったストーリーを見せるのか楽しみだ。

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AUTHOR

望月 悠木


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